2011年4月22日、パーキンソン病治療薬プラミペキソール塩酸塩水和物の徐放製剤(商品名ミラペックスLA錠0.375mg、同LA錠1.5mg)が製造承認を取得した。適応は「パーキンソン病」で、1日1回食後に経口投与する。標準維持量は1.5〜4.5mg/日であるが、1日量0.375mgから始めて経過を見ながら維持量まで漸増していく。なおプラミペキソール製剤は、速放錠(商品名ビ・シフロール)が2003年に承認され、臨床で使用されている。

 パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで発症頻度が高い進行性の神経変性疾患である。振戦、固縮、無動、姿勢反射障害の4症状を特徴とし、中脳の黒質部分が変性し神経伝達物質であるドパミンが減少することで発症する。しかし、それ以上の詳細な発症機序は不明であり、現時点での治療は、症状を改善し生活の質(QOL)を向上させながら、病状の進行を遅らせることに主眼が置かれている。

 パーキンソン病の治療に使用される薬剤には、レボドパ含有製剤、ドパミンD2受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)、モノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害薬、抗コリン薬、ドパミン遊離促進薬(アマンタジン塩酸塩)、エピネフリン前駆物質(ドロキシドパ)などがあるが、中でもドパミンアゴニストは、日本神経学会の『パーキンソン病治療ガイドライン』などでも、初期から積極的に用いるべき基礎的薬剤と評価されている。

 ドパミンアゴニストは、その構造から「麦角系」と「非麦角系」に分類されるが、プラミペキソールは非麦角系である。非麦角系は、ブロモクリプチン(商品名パーロデル他)などの麦角系でよく見られる嘔気などの消化管系の副作用は少ないが、眠気の副作用が比較的多いとされている。

 2003年に承認されたプラミペキソールの速放錠は、パーキンソン病の各種症状(患者の日常生活動作、運動機能及び症状の日内変動)に高い有効性を持つことが評価されている。また2010年1月には、「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」にも適応が追加されている。しかし、パーキンソン病治療に使用する場合には、1日2〜3回の分服が必要であり、長期服用では服薬コンプライアンスの低下が懸念されていた。

 今回承認された徐放性のプラミペキソール製剤は、1日1回の服用で安定した血中濃度推移を示すことが確認されており、服用回数の減少により患者の利便性や服薬コンプライアンスが向上するものと期待されている。2010年7月現在、プラミペキソール徐放錠は、海外において世界42カ国で承認されている。

 副作用は、臨床試験で投与した患者の60%以上に報告されており、主な副作用は、傾眠、悪心、便秘などである。また重大な副作用としては、突発性睡眠、幻覚、妄想、せん妄、錯乱、激越、悪性症候群に注意する必要がある。