2011年4月22日、経口活性化血液凝固第X因子阻害薬のエドキサバントシル酸塩水和物(商品名リクシアナ錠15mg、同錠30mg)が製造承認を取得した。適応は「下肢整形外科手術(膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術)患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」であり、1日1回30mgを経口投与する。

 血液凝固には、多くの因子が関与しているが、そのいずれかの働きを阻害することで、血栓塞栓症を予防する薬剤の開発が進んでいる。

 血液凝固カスケードにおいて中心的な役割を担うトロンビンを直接的に阻害するのが、2011年3月に発売されたダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(商品名プラザキサ)である。注射製剤としてはアルガトロバン水和物(商品名ノバスタン、スロンノンなど)が以前から使用されてきたが、経口の抗トロンビン薬としては、ダビガトランが国内初となる。

 対して、今回承認されたエドキサバンは、プロトロンビンからトロンビンが生成される過程に関与する血液凝固第X因子(FXa)を阻害する「FXa阻害薬」である。FXa阻害薬としては、以前から、エノキサパリンナトリウム(商品名クレキサン)などの低分子ヘパリン製剤や、フォンダパリヌクス(商品名アリクストラ)が臨床使用されているが、これらはいずれも注射製剤であり、エドキサバンは国内初の経口FXa阻害薬となる。

 エドキサバンは、1日1回の投与で、血管内のFXaを選択的かつ可逆的に、直接阻害することで、下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症(VTE)の発症を予防する。現段階での適応は、下肢整形外科手術患者のVTE発症予防に限定されるが、「心房細動に伴う血栓塞栓症の予防」「深部静脈血栓症患者および肺塞栓症患者におけるVTEの二次予防」についても、グローバル第3相臨床試験が実施されている。

 日本国内と台湾で実施した第3相試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が38.8%に認められている。主な副作用は、出血(16.8%:尿中血陽性、皮下出血、創傷出血)、γ-GTP上昇(9.9%)、ALT上昇(6.4%)などであり、重大な副作用としては、出血が報告されている。