2011年3月11日、血小板造血刺激因子製剤のロミプロスチム(商品名ロミプレート皮下注250μg調製用)が薬価収載された。本薬は、既に1月21日に製造承認を取得している。適応は「慢性特発性血小板減少性紫斑病」で、用法・用量は「成人、初回投与量1μg/kgを皮下投与する。投与開始後は血小板数、症状に応じて投与量を適宜増減し、週1回皮下投与。最高投与量は週1回10μg/kg」となっている。

 特発性血小板減少性紫斑病ITP)は、明らかな原因がなく、自己抗体による血小板の破壊亢進および血小板産生の抑制により血小板減少をきたす後天性の自己免疫疾患である。主な症状は、皮膚や粘膜における出血傾向で、皮下出血(紫斑、点状出血など)のほか、鼻出血、歯肉出血、月経過多などが認められる。重篤な出血としては、脳出血、消化管出血、口腔粘膜出血、血尿、喀血、網膜出血などが起こる可能性がある。推定発症または診断から6カ月以内に治癒する「急性型」は小児に多く、6カ月以上遷延する「慢性型」は成人に多い傾向がある。2006年度の厚生労働省の集計では、全国に1万9278名のITP患者がいると推定されている。

 治療では従来、ステロイドや免疫グロブリンなどを使った薬物療法のほか、脾臓摘出が行われてきたが、いずれも有効性や安全性の面で十分とは言えない状況だった。

 今回、薬価収載されたロミプロスチムは、2010年12月に薬価収載された経口のエルトロンボパグ オラミン(商品名レボレード)に続く、2番目のトロンボポエチン受容体(TPO-R)作動薬である。ロミプロスチムは、エルトロンボパグ オラミンと同様に、TPO-Rとの特異的な相互作用を介して、トロンボポエチン(TPO)のシグナル伝達経路の一部を活性化することにより、骨髄前駆細胞から巨核球に至る過程における細胞の増殖及び分化を促進させ、結果として血小板数が増加する。

 海外では、2008年7月にオーストラリアで承認されて以降、2010年12月現在、米国、欧州を初め世界28カ国で承認されている。経口薬であるエルトロンボパク オラミンに続き、今回、皮下注製剤のロミプロスチムが承認されたことで、ITP治療における選択肢が広がったことになる。

 薬剤使用に際しては、臨床試験において、63.0%(国内)および48.8%(海外)で何らかの副作用が認められていることに十分注意しなければならない。主な副作用は、頭痛、疲労、倦怠感、関節痛などであり、重大な副作用としては、血栓症・血栓塞栓症、骨髄レチクリン増生、出血などが報告されている。

 本製剤は用時溶解して用いる凍結乾燥された注射剤であり、注射用水0.72mLで溶解し、0.01mL目盛り注射器等を用いて投与する。1バイアルあたり投与できる最大液量は0.5mL(250μg)である。なお、投与予定患者への指導には、製薬会社からITPに関する情報小冊子が提供されているので積極的に活用したい。