2011年3月14日、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体ウステキヌマブ(商品名ステラーラ皮下注45mgシリンジ)が発売された。本薬は、既に1月21日に製造承認を取得し、3月11日に薬価収載されている。適応は、「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬関節症性乾癬」で、1回45mgを皮下投与する。初回投与後、2回目は4週後に投与し、以降は12週間隔で投与する。

 尋常性乾癬とは、表皮細胞の異常な増殖を特徴とする難治性の皮膚疾患である。正常な皮膚との境界が明確な赤く盛り上がった紅斑に、銀白色のかさぶた(いわゆる鱗屑)が付着し、それが剥がれる(落屑)といった症状が認められる。尋常性乾癬の中には皮膚症状のみならず、関節の腫れや痛みを伴う関節症性乾癬に移行するものもある。

 乾癬の詳細な発症機序は未だ解明されていないが、その病態にはIL-12やIL-23が関与しており、これらによって活性化される免疫担当細胞(ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー細胞)の細胞内シグナル伝達やサイトカイン(TNFαなど)の分泌が重要な役割を担っていると考えられている。このことから近年では、過剰に発現しているTNFαを中和させるTNFαモノクローナル抗体のインフリキシマブ(商品名レミケード)やアダリムマブ(商品名ヒュミラ)が、乾癬治療薬として使用されている。

 今回、発売されたウステキヌマブは、ヒトIL-12/23 p40(IL-12およびIL-23が共有するp40ユニット)に対するヒト免疫グロブリンG(IgG)1κモノクローナル抗体である。維持期には12週間隔の投与(皮下注射)で済むため、他の抗体製剤に比べて患者の治療負担が軽減できる。

 海外で実施した、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬(尋常性乾癬及び関節症性乾癬)の患者を対象とした臨床試験において、皮膚症状の改善とQOL改善が認められている。2008年12月にカナダで承認されて以降、EU(2009年1月)、米国(2009年9月)など、世界57カ国で承認されている。

 使用に際しては、例えば尋常性乾癬では「皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ場合」などといった条件が決められているので、事前の患者選択をきちんと行う必要がある。また、他のモノクローナル抗体製剤を使用する場合と同様、感染リスクがあることに十分注意し、患者に説明することが必要である。

 国内の臨床試験では、89.5%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められている。主な副作用は、鼻咽頭炎(44.8%)、発疹(7.0%)、頭痛(5.2%)、蕁麻疹・下痢(各2.9%)であり、重大な副作用としては、アナフィラキシー様症状、重篤な感染症、結核が報告されている。

 なお、感染症を含め、薬剤投与による副作用を早期に見つけることを目的として、「ステラーラ通信」という患者向けのシステムをメーカーが用意している。このシステムに登録すると、現れやすい副作用症状などの情報や次回投与予定日のお知らせなどが、患者に郵送もしくはメールマガジンで届くという仕組みになっている。