2011年3月11日、骨髄異形成症候群MDS)治療薬のアザシチジン(商品名ビダーザ注射用100mg)が薬価収載され、同日、発売された。同薬は1月21日に製造承認を取得している。適応は「骨髄異形成症候群」で、1日1回、皮下投与または10分かけて点滴静注する。「1週間投与、3週間休薬」を1クールとして投与を繰り返す。

 骨髄異形成症候群は、高率で白血病への移行が見られる予後不良の難治性疾患であり、日本では難病指定を受けている。主な症状は、貧血による全身倦怠感、白血球減少による易感染性、血小板減少による出血傾向などであり、合併症として、頻回輸血による鉄過剰症や多臓器障害等が挙げられている。日本では約9000人の患者がおり、MDSに適応を有する薬剤としては、シタラビン オクホスファート水和物(商品名スタラシド)や、2010年に発売されたレナリドミド水和物(商品名レブラミド)がある。

 今回、承認されたアザシチジンは、細胞内でリン酸化を受けた後にRNAまたはDNAに取り込まれ、蛋白質合成を阻害して殺細胞効果を発揮する。またMDS細胞に高頻度に認められる異常なDNAメチル化を阻害するという作用があることも報告されている。

 高MDS患者を対象とした海外臨床試験では、生存期間中央値が従来の治療群の15カ月に比べてアザシチジン群で24.5カ月と有意な延長が確認され、2年生存率が約2倍となったことが認められている。海外でアザシチジンは欧米をはじめとして世界30カ国以上で販売され、米国ではMDS治療の第一選択薬として位置づけられている。また日本では、2008年11月17日付けで希少疾病用医薬品の指定を受けている。

 国内での臨床第1/2相試験では、投与したMDS患者の全員に何らかの副作用が認められている。主な副作用は、好中球減少症(発熱性好中球減少症を含む)(88.7%)、白血球減少症・血小板減少症(各84.9%)、ヘモグロビン減少・便秘(各69.8%)、注射部位反応(紅斑、発疹、そう痒感、硬結など)(66.0%)、赤血球減少症(62.3%)、ヘマトクリット減少(54.7%)、リンパ球減少症(52.8%)などが認められている。さらに、重大な副作用として、好中球減少症などの骨髄抑制などが高頻度に認められることにも留意しておかなければならない。