2011年1月21日、骨粗鬆症治療薬のエルデカルシトール(商品名エディロールカプセル0.5μg、同カプセル0.75μg)が製造承認を取得した。用法・用量は、「1日1回0.75μg経口投与する。また、症状により適宜1日1回0.5μgに減量」となっている。

 骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴として、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されており、日本国内では約1200万人が罹患していると推定されている。

 治療では、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビタミンD3誘導体などが使用されている。このうち、骨折予防効果のエビデンスが十分に集積されているビスホスホネート製剤とSERMは、2006年に発行された『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』で総合評価がグレードA(推奨の強さ:行うよう強く勧められる)なのに対し、アルファカルシドール(商品名ワンアルファ、アルファロール他)をはじめとするビタミンD3誘導体は、グレードB(推奨の強さ:行うよう勧められる)と位置付けられている。

 今回、承認されたエルデカルシトールは活性型ビタミンD3誘導体であり、既存の活性型ビタミンD3製剤に比べて骨に対する作用を高めた薬剤とされる。具体的には、アルファカルシドールを対照とした第3相臨床試験(無作為二重盲検並行群間比較試験)で、エルデカルシトール投与群がアルファカルシドール投与群に比べて、3年間の新規錐体骨折の発生頻度が統計学的に有意に低かったことが報告されている。さらに、重症の被験者では骨折抑制効果がより顕著であり、一般には骨折抑制効果が現れにくい前腕骨でも骨折発現率が有意に低いことが確認されている。また、安全性についても対照薬であるアルファカルシドールと同等であり、新たな副作用は確認されていない。

 今回承認されたエルデカルシトールは、このように骨折予防効果が既存の活性型ビタミンD3誘導体に比べて高いというエビデンスが得られていることから、今後は『ガイドライン』でも評価が高まるものと推測される。

 ただし、使用に際しては、承認時までの臨床試験で38.5%に副作用が認められていることに十分注意する必要がある。主なものは、尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%)、血中尿酸増加(高尿酸血症を含む)(1.9%)、高カルシウム血症(1.5%)などであり、重大な副作用としては、高カルシウム血症、急性腎不全、尿路結石が報告されている。