2010年12月13日、ドライアイ治療薬ジクアホソルナトリウム(商品名ジクアス点眼液3%)が発売された。本薬は、既に2010年4月に製造承認を取得し、12月10日に薬価収載されている。適応は「ドライアイ」であるが、使用できるのは「涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者のみ」とされている。1回1滴、1日6回点眼する。

 ドライアイは、眼の不快感や視機能異常を伴う慢性疾患であり、涙液異常および角結膜上皮障害を伴う。目が乾く、ゴロゴロするという不快感程度の症状から始まり、悪化すると日常生活にも支障を来す疾患である。近年、コンピュータ作業の増加、エアコンなどによる室内乾燥、コンタクトレンズや屈折矯正手術の普及などにより、ドライアイ患者が増えているとされ、日本では約800万人の患者がいると推定されている。

 従来、ドライアイに対する治療では、ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(商品名ヒアレイン)や人工涙液が用いられてきたが、今回、発売されたジクアホソルナトリウムは、これら薬剤とは異なる新しい作用機序を有する薬剤である。具体的に、ジクアホソルナトリウムは、結膜上皮及び結膜杯細胞膜上に存在するP2Y2受容体の作動薬であり、細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させ、水分及びムチン分泌促進作用を有することで、涙液を質的及び量的の両側面から改善する。この作用機序を有する点眼薬は、世界初である。

 ドライアイ患者を対象とした臨床試験では、フルオレセイン染色スコア改善を指標とした角膜上皮障害改善効果、ローズベンガル染色スコア改善を指標とした角結膜上皮障害改善効果が確認されており、また長期点眼試験においても、その効果の維持と安全性が確認されている。

 今回のジクアホソルナトリウムの発売で、ドライアイ治療に新たな治療の選択肢ができたことになり、患者のQOL向上につながるものと医療現場では期待されている。ただし使用に際しては、承認時までの国内臨床試験で、何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が23.7%に認められていることに注意する必要がある。主な副作用としては、眼刺激感(6.7%)、眼脂(4.7%)、結膜充血(3.7%)、眼痛(2.7%)、眼そう痒感(2.4%)、異物感(2.1%)、眼不快感(1.1%)などが認められている。

 なお本薬は、1日6回という高頻度の点眼が必要となることから、個々の患者のライフスタイルに合わせて点眼スケジュールを設定するなど、きめ細やかな指導が重要となる。製薬会社も、1日6回の点眼が必要であることなどを説明した患者用の指導箋を用意しているので、有効に利用したい。