2010年12月21日、プロトンポンプ阻害薬PPI)のラベプラゾールナトリウム(商品名:パリエット錠10mg、同錠20mg)に対して、難治性の逆流性食道炎に対する1日2回(1回10mgまたは20mg)投与が承認された。従来のPPIのよる治療で効果が不十分な場合に適用できる。ただし1回20mgの1日2回投与は、内視鏡検査で重度の粘膜傷害が認められた場合に限定される。

 逆流性食道炎は、胃酸の逆流によって食道粘膜に傷害が生じることで、胸やけ、のどの違和感、げっぷ(曖気)、胃の重苦しさ、おなかの張りなどの症状が出現する疾患である。症状は、頻繁に出現し、治療で一度症状が改善しても再発しやすいといわれている。

 逆流性食道炎の治療では、胃酸の分泌を抑制する目的で、PPIを用いる治療法が広く用いられている。しかし、従来の承認された用法・用量では、治療効果が十分ではない場合があることが時に問題になっていた。

 今回、適応追加が行われたラベプラゾールは、1997年に日本で初めて発売され、現在、世界100カ国以上で承認されている薬剤である。日本での適応症は、これまで、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、ヘリコバクター・ピロリの除菌補助などであった。

 用法・用量の追加を目指して行われた二重盲検比較試験では、従来の用法・用量でのPPI治療に抵抗性を示した逆流性食道炎患者を対象に、投与8週後の内視鏡検査による治癒率を比較検討したところ、1日1回(1回20mg)投与群に比べて、1日2回(1回10mgまたは20mg)投与群では、有意に高い治癒率を示すとともに、安全性に関しても良好な忍容性が確認されている。

 今回の用法・用量の追加により、難冶性の逆流性食道炎例に対する新たな治療選択肢が増えたことになり、患者や医療関係者にとっては朗報となろう。ただし、薬剤使用に際しては、従来通り、副作用発現に十分に注意する必要がある。

 ラベプラゾールの主な副作用は、便秘、軟便、下痢、ALT・AST・LDH上昇などであり、重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、間質性肺炎、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、間質性腎炎、低Na血症、横紋筋融解症が認められている。