2010年10月27日、アレルギー性疾患治療薬のレボセチリジン塩酸塩(商品名:ザイザル錠5mg)が製造承認を取得した。適応は、アレルギー性鼻炎とアレルギー性皮膚疾患であり、成人には1日1回5mgを就寝前に、小児(7歳以上〜15歳未満)には1回2.5mgを1日2回、朝食後と就寝前に投与することとなっている。

 レボセチリジンは、日本では1998年から使用されているセチリジン塩酸塩(商品名:ジルテック)の光学異性体のうち、より強い生理活性を有するR-エナンチオマーのみを光学分割したものである。

 セチリジンは、ヒドロキシジン塩酸塩(商品名:アタラックス)の主要代謝物である。ヒスタミンH1受容体に対しては強力な拮抗作用を有するが、アセチルコリン受容体、アドレナリン受容体、セロトニン受容体などへの結合親和性は低く、第1世代の抗ヒスタミン薬の多くで問題になっていた抗コリン作用などに基づく副作用が少ない点が特徴であった。

 またセチリジンは、両性イオンとして血中に存在するために血液-脳関門の通過性が低く、中枢への影響も少ないとされる。さらに同薬は、投与早期から効果が現れ、薬効の持続時間が長いことから、1日1回投与が可能となっている。

 今回承認されたレボセチリジンは、ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーであり、治療上の活性本体である。海外の薬物動態試験および臨床試験では、レボセチリジンは、セチリジンの半量で、セチリジンと同等の抗アレルギー効果が得られることが確認されている。海外では、2001年にドイツで承認されて以降、2010年5月までに、米国を含む世界93カ国でアレルギー性鼻炎および慢性特発性蕁麻疹を適応症に承認されている。

 レボセチリジンは、日本で発売される抗ヒスタミン薬としては8年ぶりとなる新薬である。ただし、これまで使われてきたセチリジンのR-エナンチオマーであることから、レボセチリジンの有効性や安全性を検証する臨床試験は行われていない。

 なお、海外においては、レボセチリジンの投与で16.0%に何らかの副作用が認められている。主な副作用は、傾眠(5.2%)、頭痛(3.3%)、疲労(3.0%)などであった。また、既存のセチリジンでは、重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、痙攣、肝機能障害、黄疸、血小板減少が報告されていることにも留意しておかなければならない。