2010年7月23日、閉経後骨粗鬆症治療薬のバゼドキシフェン酢酸塩(商品名:ビビアント錠20mg)が製造承認を取得し、9月17日に薬価収載された。適応は「閉経後骨粗鬆症」であり、1日1回20mgを経口投与する。

 骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴として、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されている。日本国内では、約1200万人の患者がいると推定されているが、そのうち約900万人は、閉経により女性ホルモンのエストロゲンが減少することで、骨形成よりも骨吸収が上回り骨量が減少する、いわゆる「閉経後骨粗鬆症」の女性患者であるとされる。60歳以上の女性の3割以上が、閉経後骨粗鬆症に罹患しているとも推定されている。

 骨粗鬆症の治療薬としては、従来から使用されてきた活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、カルシトニン製剤、エストロゲン製剤などに加え、最近では、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーターSERM)が使用されている。

 今回、薬価収載されたバゼドキシフェンは、ラロキシフェン塩酸塩(商品名:エビスタ)と同じ「SERM」である。エストロゲン減少に起因する閉経後骨粗鬆症には、エストロゲンの補充療法が効果的ではあるが、一方でエストロゲンの投与により、不正出血や乳房痛などを高頻度で生じるほか、長期使用によって潜在的な発癌リスクが増大するといった問題が指摘されている。

 そこで近年、閉経後骨粗鬆症の治療薬として、SERMが注目されている。SERMは、骨に対してはエストロゲンと同じ作用を有するものの、子宮や乳房に対してはアンタゴニストとして作用することで、乳癌の発生を有意に低下させるなど、エストロゲン製剤のデメリットをカバーできるからである。

 実際、1万人以上の女性が参加した海外での第3相臨床試験では、バゼドキシフェン投与により脊椎の新規椎体骨折の発生率が、プラセボ群に比べて42%、有意に低下したことが報告されている。また、この試験の事後解析の結果、高リスク集団においては、同薬が非椎体骨折の発生率をプラセボに比べ50%、ラロキシフェンに比べて44%、それぞれ有意に低下させたことが確認されている。

 またSERMは、バゼドキシフェン、ラロキシフェンのいずれも1日1回1錠の服用で済み、ビスホスホネート製剤のように食事の影響を考慮する必要がない点もメリットである。バゼドキシフェンは、海外では2009年4月に欧州連合(EU)で承認されているほか、スイスでも承認されている。

 バゼドキシフェンの国内での臨床試験では、44.2%に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められている(ただし、プラセボ群でも45.7%に何らかの副作用が認められている)。主な副作用は、筋痙縮(2.5%)、乳腺症などの繊維嚢胞性乳腺疾患(2.5%)であり、重大な副作用として、静脈血栓塞栓症(頻度不明)が現れることがあるとされている。