2010年7月23日、骨粗鬆症治療薬のテリパラチド(商品名:フォルテオ皮下注カート600μg、同皮下注キット600μg)が製造承認を取得した。適応は「骨折の危険性が高い骨粗鬆症」で、1日1回20μgを皮下注する(投与は18カ月まで)。9月17日に薬価収載される見込みであり、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤としても認められている。

 近年、骨粗鬆症の治療薬は、従来から使用されてきた活性型ビタミンD3製剤やビタミンK2製剤、カルシトニン製剤などに加え、骨吸収を抑制するビスホスホネート製剤や、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)などが使用されている。

 これらの薬剤は、長期使用時の有効性や安全性は確認されているものの、臨床現場では、骨密度が極度に低下しているなど、骨粗鬆症による脆弱性骨折のリスクが高い患者に使用できる、より速やかで強力に骨を再構築する薬剤の登場が求められていた。

 今回、承認されたテリパラチドは、遺伝子組み換え技術によって精製された製剤であり、ヒト副甲状腺ホルモンPTH)の活性部分であるN端側34個のアミノ酸で構成されている。主に「前駆細胞からの骨芽細胞への分化促進」と「骨芽細胞のアポトーシス抑制」により、骨梁ならびに皮質骨の内膜及び外膜面において、骨芽細胞の機能を活性化し、骨新生を促進する。

 骨折の危険性が高い骨粗鬆症患者を対象とした国内臨床試験では、12カ月間および18カ月間の治療により、腰椎(L2-L4)の骨密度が平均で10.04%および11.93%増加したと報告されている。また、骨折の危険性が高い骨粗鬆症患者を対象とした海外での臨床試験では、新規椎体骨折および非外傷性非椎体骨折の発生が、本剤を投与することで、それぞれ65%および53%抑制できたと報告されている。

 海外では、2002年11月に米国で骨粗鬆症治療薬として承認されて以降、2010年7月現在までに、世界84カ国で承認されている。なお国内では、同じテリパラチドが、副甲状腺機能低下症の鑑別のために行われる「エルスワース・ハワード試験」用の製剤として販売されている。

 骨粗鬆症治療薬としてテリパラチドが承認されたことで、骨折の危険性が高い患者、特に閉経後骨粗鬆症女性患者などには朗報と考えられる。ただし薬剤使用に際しては、国内の臨床試験において、19.0%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められていることに注意する必要がある。主な副作用は、血中尿酸上昇(3.2%)、頭痛・悪心(各2.8%)、ALP上昇(1.6%)、筋痙縮・高尿酸血症・食欲不振(各1.2%)などが報告されている。