2010年7月23日、プロトンポンプ阻害剤であるランソプラゾールの15mg製剤(商品名:タケプロンカプセル15、同OD錠15)に「低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」の適応が追加された。用法・用量は「1日1回15mg」である。

 近年、人口の高齢化に伴い、脳梗塞や心筋梗塞の再発予防を目的に低用量アスピリンを服用している患者が増加している。その一方で、低用量アスピリンであっても、長期投与によって、薬剤性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍(いわゆるNSAIDs潰瘍)が引き起こされることが明らかになってきた。

 NSAIDs潰瘍が発見されても、低用量アスピリンの投与を中止すれば血栓・塞栓が形成されるリスクが増大してしまうため、軽々には休薬できない。このため臨床現場では、潰瘍の発生を予防しながら低用量アスピリンの投与を継続する方法が模索されており、実態としては、しばしば、低用量アスピリンに併用する形で、PPIやH2ブロッカーが潰瘍予防を目的として適応外処方されてきた。

 今回、適応が追加されたランソプラゾールは、1992年に胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの適応で発売されて以来、「ヘリコバクター・ピロリの除菌補助」(2000年9月)、「再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法」(2000年12月)にも適応が拡大され、最近では、「胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリの除菌補助」(2010年6月)に対しても適応を取得している。また製剤としては、水なしで服用可能な口腔内崩壊錠(商品名:タケプロンOD錠)が2002年3月に承認されている。

 今回のランソプラゾールの適応追加により、潰瘍の既往歴があり、低用量アスピリンの継続的な投与が必要な患者にとっては朗報となろう。ただし、今回新たに取得した「低用量アスピリン投与時の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」という適応は、ランソプラゾールの、しかも15mg製剤のみに認められたものであり、ほかのPPI製剤やランソプラゾール30mg製剤には認められていないので注意したい。

 なお、今回の適応追加承認までの臨床試験では、16.2%に臨床検査値異常を含む副作用が認められている。主なものは、便秘(4.1%)、下痢(3.2%)である。