2010年6月11日、糖尿病治療薬の「メタクト配合錠」が薬価収載された。既に4月16日製造承認されており、近々の発売が予定されている。本薬は、チアゾリジン系薬のピオグリタゾン(商品名:アクトス)と、ビグアナイド薬のメトホルミン(商品名:グリコラン、メデット、メルビンほか)の配合製剤である。糖尿病治療薬としては、国内初の配合製剤となる。

 今回承認され、発売されるのは、「メタクト配合錠LD」と「メタクト配合錠HD」の2規格。どちらもメトホルミンの配合量は500mgで、配合錠LDにはピグリタゾンが15mg、配合錠HDにはピグリタゾンが30mg、配合されている。適応は「2型糖尿病」で、どちらも1日1回、朝食後に服用する。

 ビグアナイド薬のメトホルミンは、SU剤と並んで古くから糖尿病治療に使用されてきた製剤である。主に、肝臓における糖新生を抑制し、筋・脂肪組織でのインスリン抵抗性を改善する。一方のピオグリタゾンは、脂肪細胞の核内の転移調節因子であるPPARγのアゴニストとして作用し、インスリン抵抗性を改善する。

 どちらもインスリン抵抗性を改善する作用を持つ薬剤であるが、その作用メカニズムが異なるため、併用によりインスリン抵抗性改善効果と血糖降下効果の増強が期待できる。また、(1)1日1回の服用で済む(メトホルミン単剤では1日2〜3回の服用が基本)、(2)1回に服用する錠剤の数が減る──などのメリットがあることから、服薬コンプライアンスの向上が期待できる。海外では2008年10月現在、米国、欧州など世界32カ国で承認されている。

 本薬そのものを2型糖尿病患者に投与した安全性試験は実施されていないが、本薬と同じ成分・含有量を1日1回投与した試験では、6.7%に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められたことが報告されている。また、これまでに、ピオグリタゾンおよびメトホルミンにおいては、重大な副作用として、心不全の増悪あるいは悪化、乳酸アシドーシス(警告欄にも記載)、循環血漿量の増加による浮腫、肝機能障害、黄疸、低血糖症状、横紋筋融解症、胃潰瘍の再燃などが報告されているので注意したい。

 なお本薬は、ほかの治療領域の配合製剤と同様、2型糖尿病の第一選択薬として用いることは認められていない。