2010年4月16日、緑内障高眼圧症治療薬「コソプト配合点眼液」が製造承認を取得した。本薬は、従来から使用されている炭酸脱水酵素阻害薬のドルゾラミド塩酸塩(商品名:トルソプト)と、β遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール、リズモンなど)を配合した点眼薬である。

 緑内障治療に使用される配合点眼薬としては、今年1月20日に承認され、4月20日に発売されている「ザラカム配合点眼液」があるが、こちらはβ遮断薬であるチモロールに、プロスタグランジンF2α誘導体のラタノプロスト(商品名:キサラタン)を配合した点眼薬であり、β遮断剤に炭酸脱水酵素阻害薬を配合した点眼薬としては、コソプト配合点眼液が日本で初めてとなる。用法・用量は「1回1滴、1日2回点眼」である。

 緑内障は、日本では40歳以上の20人に1人が発症しており、視覚障害の原因の第1位となっている。緑内障の中には、眼圧が上昇しないタイプ(正常眼圧緑内障)も多いことから未治療の患者も多く、早期発見・早期治療が重要といわれている。

 緑内障・高眼圧症で唯一確立された治療は、眼圧を下げることである。一般に緑内障患者などで長期間、眼圧をコントロールするには、作用機序の異なる複数の点眼薬を併用することが多い。具体的には、患者の病態に応じて、房水流出抑制作用を持つ「プロスタグランジン誘導体」の点眼薬と、房水産生抑制作用を持つ「炭酸脱水酵素阻害薬」や「β遮断薬」の点眼薬が使用される。

 今回承認されたコソプト配合点眼薬には、どちらも房水産生抑制作用を持つ炭酸脱水酵素阻害薬とβ遮断薬が配合されており、房水の産生を強く抑制することで眼圧を低下させる。この組み合わせは、これまでに行われた複数の臨床試験で併用効果が確認されている。コソプト点眼液は、海外では1998年にメキシコで承認されて以降、2010年4月現在、米国、欧州、アジアなど、約90カ国で販売されている。

 一般に複数の点眼薬を使用する場合には、点眼間隔を5分以上とる必要があるため、その点眼間隔が2剤目の差し忘れなどを招き、コンプライアンス低下の原因になることが指摘されてきた。今回のコソプト配合点眼薬の登場は、炭酸脱水酵素阻害薬とβ遮断薬の併用が必要な患者にとっては、朗報といえるだろう。

 同点眼液では、第3相臨床試験において14.3%に何らかの副作用が認められている。具体的には、主な副作用として、眼刺激症状(7.9%)、角膜炎、頭痛(各1.6%)、結膜充血、点眼直後にみられる眼のかすみ(各1.1%)などが報告されている。また重大な副作用としては、眼類天疱瘡、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全、心ブロック、うっ血性心不全、脳虚血、心停止、脳血管障害、全身性エリテマトーデス、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症が報告されている。