2009年10月16日、子宮頸癌予防ワクチンサーバリックス」が製造承認を取得した。承認された適応は「ヒトパピローマウイルス16型および18型感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮細胞癌、腺癌)およびその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2および3)の予防」である。接種対象は、10歳以上の女性で、1回0.5mLを3回(初回、初回から1カ月後、初回から6カ月後)、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。年内にも発売される見込みである。

 子宮頸癌は、世界的に見ると、女性の癌としては乳癌に次いで2番目に発症率が高く、毎年50万人が新たに罹患し、毎年27万人が死亡している。日本でも、毎年約1万5000人が罹患し、約3500人が死亡していると推計されている。日本での罹患患者数は、20歳代後半から増え始め、30歳代に罹患のピークが認められる。

 子宮頸癌は、そのほぼ100%が、ヒトパピローマウイルスHPV)による感染が原因である。発癌性のあるHPVには15種類ほどの型があり、中でもHPV16型と18型は子宮頸癌から多く検出される。発癌性HPVは、8割の女性が一生の間に一度は感染するありふれたウイルスであるが、ほとんどの場合は、感染しても自然に排除されるため、子宮頸癌に罹患するのは感染した女性の1%未満とされる。一方で、自然感染しても十分に抗体価が上昇しないために、同じ型のウイルスに何度も感染する可能性がある。そこで、高い抗体価を維持するために、発癌性HPVワクチンの開発が望まれていた。

 今回、承認されたワクチンは、抗原にウイルスDNAを含まないウイルス様粒子(VLP)を使用した、感染性の全くないサブユニットワクチンである。さらに、このワクチンは、強い免疫応答増強作用のあるアジュバントを添加することで、自然感染時に比して11倍高い抗体価を長期間維持することを可能としている。具体的には、HPV16型と18型の持続感染を100%予防し、さらにこれらのウイルスが関与する前癌病変(CIN2+、CIN3+)の発症を100%予防することが確認されている。

 サーバリックスの接種と定期的な子宮頸癌検診の受診により、子宮頸癌は、ほぼ100%予防できると考えられている。今後、同ワクチンが広く使用され、日本での子宮頚癌の発症予防に大きく貢献するものと期待される。

 国内の臨床試験では、接種後7日間の局所(注射部位)の副反応として、疼痛(97.9%)、発赤(87.2%)、腫脹(77.9%)が認められているほか、全身性の副反応としては、疲労(57.0%)、筋痛(44.7%)、頭痛(37.5%)、胃腸症状(24.4%)、関節痛(20.0%)など報告されているので注意したい。