2009年9月18日、抗悪性腫瘍薬のカペシタビン(商品名:ゼローダ錠300mg)、オキサリプラチン(商品名:エルプラット注射用50mg、同注射用100mg)、ベバシズマブ(商品名:アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL)に新たな適応が追加された。具体的には、これらを併用する「XELOX療法」「XELOX+ベバシズマブ療法」による結腸・直腸癌(進行・再発例)の治療が可能になった。

 カペシタビンは、2003年に承認・発売され、「手術不能又は再発乳癌」「結腸癌における術後補助化学療法」の適応で臨床使用されている。癌細胞内で5−フルオロウラシル(5−FU)に変換され抗腫瘍効果を発揮する経口剤である。

 ベバシズマブは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と呼ばれる生体内の蛋白質を標的として、癌細胞の増殖と全身への転移に不可欠な血液補給を遮断する「血管新生阻害薬」として、2007年に転移性結腸・直腸癌の適応で承認・発売された薬剤である。

 オキサリプラチンは、2005年に承認・発売され、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」「結腸癌における術後補助化学療法」を適応に使用されている白金錯体系薬剤である。なお、オキサリプラチンの使用に際しては、レボホリナート(商品名:アイソボリン)およびフルオロウラシル(商品名:5−FU)の静脈内持続投与法との併用療法(FOLFOX4療法)が必須となっていた。

 今回、この3つの抗悪性腫瘍薬で適応追加が行われたのは、既に2009年6月現在、海外51の国と地域で、カペシタビンとオキサリプラチンの併用療法(XELOX療法)およびXELOX療法にベバシズマブを併用する方法(XELOX+ベバシズマブ療法)が、進行・転移性の結腸・直腸癌にファーストライン治療として承認・使用されていることによる。

 日本では、2006年1月から臨床試験が実施され、XELOX療法及びXELOX+ベバシズマブ療法の有効性と安全性が確認されており、この結果に海外での臨床試験成績が加味されて今回の適応追加となっている。具体的には、XELOX療法は、従来の標準的治療であるFOLFOX4療法と比較すると、無増悪生存期間は同等でありながら、静注時間が48時間から2時間と大幅に短縮される。また、ベバシズマブを化学療法(FOLFOX4及びXELOX)に併用すると、化学療法単独時に比べて無増悪生存期間を約20%、有意に延長することが認められている。

 今回のXELOX療法およびXELOX+ベバシズマブ療法の承認で、世界標準の癌化学療法の一つがようやく日本でも認められることになり、患者にとって朗報である。もっとも、これら併用療法を行う場合においても、従来と同様、事前の厳密な患者選択、投与時のショック・アナフィラキシー様反応の発現に対する注意、万が一これらが発現した場合の対策の周知、などが必要であることは言うまでもない。