2009年7月7日、吸入ステロイド喘息治療薬のモメタゾンフランカルボン酸エステル(商品名:アズマネックスツイストヘラー100μg60吸入)が製造承認を取得した。適応は「気管支喘息」であり、通常、1日2回吸入する。モメタゾンフランカルボン酸エステル製剤は、日本では既に、2008年に発売された点鼻液(商品名:ナゾネックス)と、1993年に発売された外用剤(商品名:フルメタほか)が使用されている。

 気管支喘息の治療・管理では、気道炎症と気流制限を惹起する因子を回避・除去し、薬物療法により気道過敏性と気流制限を軽減・寛解することが目標となる。具体的な長期管理薬として「アレルギー疾患診断・治療ガイドライン2007」では、吸入ステロイド薬が第1選択薬に位置付けられている。

 現在、吸入ステロイド薬は、加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)もしくはドライパウダー吸入器(DPI)の形で、フルチカゾンプロピオン酸エステル(商品名:フルタイド)など、4成分が臨床使用されている。これらの吸入ステロイド製剤の普及で、気管支喘息の長期管理が容易になっている。

 今回、承認されたのは、吸入時の平均粒子径が2μmとなるモメタゾンフランカルボン酸エステルのドライパウダー製剤であり、肺への送達率が約40%と高いのが特徴である。臨床試験では、投与開始1週目から、起床時のピークフローを有意に改善したとの報告がある。さらに、グルココルチコイド受容体への親和性が高いこと、吸入時の血中移行性(全身吸収性)が低いことも特徴である。

 また、デバイスには、吸気速度の低下した患者でも安定した吸入が可能となる「ツイストヘラー」が採用されている。ツイストヘラーは、キャップ開閉操作のみで1回吸入量が装填されるため使用方法が簡便で、残量不足状態での誤使用を防ぐために、規定回数吸入後に操作不能となるロックアウト機能も装備している。ただし、操作方法が従来の吸入薬とは異なるので、投薬時には、患者に使用説明書を渡し、十分に使用法を指導することが必要であろう。

 モメタゾンフランカルボン酸エステルは、喘息を適応とする吸入製剤としては2009年1月現在、欧米をはじめとする世界60カ国で承認されている。承認時までの臨床試験では、副作用が19.8%に認められており、主なものは、口腔カンジダ症(6.0%)、嗄声(5.7%)、咽喉頭症状(不快感、疼痛、乾燥、刺激感)(2.5%)などである。また海外では、重大な副作用として、アナフィラキシー様症状が報告されている。