アラミスト点鼻液27.5μg 56噴霧用(写真提供:グラクソ・スミスクライン)

 2009年4月22日、定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療薬のフルチカゾンフランカルボン酸エステル(商品名:アラミスト点鼻液27.5μg 56噴霧用)が製造承認を取得した。適応は、アレルギー性鼻炎。成人では各鼻腔に2噴霧ずつ1日1回投与する。薬価収載後に発売される見込みである。

 アレルギー性鼻炎は、発作反復性のくしゃみ、鼻水(水性鼻漏)、鼻づまり(鼻閉)を主症状とする I 型アレルギー性疾患で、ハウスダストなどによる通年性アレルギー性鼻炎と、花粉による季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に大別される。2008年の調査では、アレルギー性鼻炎の有病率は39.4%だったと報告されている。

 アレルギー性鼻炎の治療においては、経口の抗アレルギー薬のほか、鼻噴霧用のステロイド薬が主要な治療薬の一つとなっている。『鼻アレルギー診療ガイドライン』の2009年版(改訂第6版)では、「現在のアレルギー性鼻炎治療薬の中では、症状改善効果の強い薬剤である」と紹介されており、さらに、(1)効果が強い、(2)効果発現がやや早い、(3)副作用は少ない、(4)くしゃみなど鼻アレルギー症状に対して等しく効果がある、(5)投与部位のみ効果が発現する――といった特徴が挙げられている。

 鼻噴霧用ステロイド薬には、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(商品名:アルデシンAQネーザルほか)と、フルチカゾンプロピオン酸エステル(商品名:フルナーゼほか)の2剤が従来から使用されてきたが、これらは、十分な効果を得るために1日2〜4回の鼻腔内噴霧が必要となる。これに対し、昨年9月に発売されたモメタゾンフランカルボン酸エステル水和物(商品名:ナゾネックス)は、1日1回の鼻腔内噴霧で済むため、患者の利便性が高い。

 今回、製造承認されたアラミストも、ナゾネックスに続く2剤目の「1日1回投与型の鼻噴霧用ステロイド薬」である。アラミストは、フルナーゼなど1日2回投与が必要なフルチカゾン製剤と比較して、同等以上の有効性および安全性を有し、かつ抗炎症作用の持続時間が長いことが確認されている。また、デバイス(噴霧器)が、人間工学に基づいて設計された「横押し式」(写真)で使いやすいことも特徴となっている。アラミストは、海外では2007年4月に米国で承認されて以降、世界60カ国以上(09年3月現在)で承認されている。

 1日1回型の鼻噴霧用ステロイド薬であるアラミストは、ナゾネックスと同様、アレルギー性鼻炎治療に対して、今後、広く使用されていくものと予想される。副作用は、臨床試験では5.4%に認められており、主なものとして血中コルチゾール減少、白血球数増加などが報告されている。また海外では、重大な副作用としてアナフィラキシー反応が確認されているので注意したい。