2009年4月22日、高血圧治療薬のテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド配合錠(商品名:ミコンビ配合錠AP、同配合錠BP)が製造承認を取得した。配合されているのは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のテルミサルタン(商品名:ミカルディス)と、サイアザイド系利尿薬のヒドロクロロチアジド(HCTZ)の2成分であり、ARBとHCTZの配合錠としては日本で4番目となる。

 高血圧症治療では近年、臓器保護作用などを有することなどが評価され、ARBやアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬などのレニン・アンジオテンシン系(RAS)抑制薬が広く使用されるようになっている。

 特に、テルミサルタンなどのARBは、ACE阻害薬で高い頻度で発現する空咳の副作用が生じにくいため、より高い有用性が認められている。しかし一方で、ARBを含む既存薬の単独使用もしくは併用で、十分に降圧できていない症例が少なくないことも報告されている。そうした背景から各製薬会社は、既に発売しているARBと、ARBと相性のよいサイアザイド系利尿薬のHCTZを配合した薬剤を続々と開発しているのである。

 ARBのテルミサルタンは、大規模臨床試験「ONTARGET」「PRoFESS」などで有意な心血管イベント抑制効果が報告されている。これにHCTZを配合したミコンビ配合錠APでは、国内臨床試験において、収縮期血圧低下効果などの強力な降圧効果を示すことが確認されている。テルミサルタンとHCTZの配合剤は、これまでに約90カ国で承認・販売されている。

 今回承認されたミコンビ配合錠も含め、いずれのARB/HCTZ配合錠も、含有しているARBと同じく「1日1回」の服用で済むのが特徴であり、治療強化を目的にARBから配合剤に切り替えるような場合でも、患者の抵抗感が少ないのではないかと考えられる。

 ミコンビ配合錠では、成分含有量の違う2種類が承認されている。具体的には、1錠中のHCTZ含有量を一定(12.5mg)とし、これに40mgもしくは80mgのテルミサルタンを配合している。ARB含量が異なる2種類を用意しているという点では、既存のARB/HCTZ配合錠の中ではエカード配合錠に近い(下表参照)。

 なお、ほかの3剤と同様、ミコンビ配合錠でも添付文書に「過度の血圧低下の危険性があり、原則として高血圧治療の第一選択薬としないこと」と明記される見込みなので注意したい。

■ARB/HCTZ配合錠の成分含有量

ミコンビ配合錠AP テルミサルタン40mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg
ミコンビ配合錠BP テルミサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg
※テルミサルタンの商品名は「ミカルディス」。日本ベーリンガーインゲルハイム、アステラス製薬。

エカード配合錠LD カンデサルタンシレキセチル4mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg
エカード配合錠HD カンデサルタンシレキセチル8mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg
※カンデサルタンシレキセチルの商品名は「ブロプレス」。武田薬品工業。

コディオ配合錠MD バルサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg
コディオ配合錠EX バルサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg
※バルサルタンの商品名は「ディオバン」。ノバルティス ファーマ。

プレミネント錠 ロサルタンカリウム50mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg
※ロサルタンカリウムの商品名は「ニューロタン」。万有製薬。