2009年3月24日、抗悪性腫瘍薬クラドリビン(商品名:ロイスタチン注8mg)の用法・用量が追加された。具体的には、クラドリビンの適応には(1)ヘアリーセル白血病、(2)低悪性度またはろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫(再発・再燃または治療抵抗性のもの)――の2つがあるが、今回、上記(2)に使用する際の投与方法として、これまでの「7日間持続点滴静注」に加え、「2時間点滴静注・5日間連日投与」が認められることになった。

 クラドリビンは、代謝拮抗薬に分類される抗悪性腫瘍薬である。増殖細胞においてはDNA合成を阻害、静止細胞においては細胞死を誘発することで、殺細胞作用を発揮する。

 クラドリビンは1993年に米国で、ヘアリーセル白血病を適応に「7日間持続点滴静注」(1日量0.09mg/kgを7日間持続点滴静注)の用法・用量で承認されて以降、2008年2月現在、世界42カ国で承認されている。また、B細胞慢性リンパ性白血病に対する「2時間点滴静注・5日間連日投与」(1日量0.12mg/kgを1日1回2時間で点滴静注、これを5日間連日行って少なくとも23日間休薬する)も、98年に英国で承認されて以降、これまでに世界14カ国で承認されている。

 日本では、2002年1月にまずヘアリーセル白血病を適応として7日間持続点滴静注が承認され、その後、02年12月に「低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫」にも適応が追加されたが、この時には7日間持続点滴静注のみが承認されていた。なお日本では、諸外国で認められている「B細胞慢性リンパ性白血病」には適応がない。また逆に「低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫」の適応が認められているのは、世界的に見て日本のみである。

 今回承認された「2時間点滴静注・5日間連日投与」は、近年、低悪性度非ホジキンリンパ腫を対象としたクラドリビンの臨床試験において、単独投与、併用療法の両方で汎用されている方法である。特に、繰り返し投与を必要とする外来患者では、7日間連続で1日量を24時間かけて点滴する従来法に比べ、投与時間が短いため患者の利便性が高く、安全管理の面からも有用性が高いことから、日本では04年2月から臨床試験が開始された。なお、日本でクラドリビンの適応があるろ胞性非ホジキンリンパ腫とマントル細胞リンパ腫は、低悪性度非ホジキンリンパ腫と同じ治療が行われる場合が多い。

 今回、追加された新しい用法・用量を適用すれば、現場での使い勝手や患者のQOLが向上することから、クラドリビンの使用頻度がこれまで以上に高まることが予想される。ただし、本薬剤の2時間点滴静注・5日間連日投与では、これまでの7日間持続点滴静注と同様に、ほとんどの症例で副作用(臨床検査値異常を含む)が認められているので注意したい。具体的には、頻度が10%以上の副作用として、感染症(自他覚症状として:咽頭炎、帯状疱疹、感染性結膜炎、感染、膀胱炎、真菌性皮疹)、悪心、発疹、注射部位反応、頭痛、下痢、便秘などが報告されている。