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2009. 3. 6

【新薬】世界初の選択的オピオイドκ受容体作動薬「レミッチカプセル」

ナルフラフィン:新機序で透析患者のかゆみを改善

北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部

連載の紹介

最近の新薬や添付文書改訂の中から、週に1回、必ず押さえておきたい注目情報をピックアップしてお届けします。(協力:慈恵医大病院薬剤部)

関連ジャンル:
透析
皮膚科

 2009年1月21日、経口そう痒改善薬のナルフラフィン塩酸塩(商品名:レミッチカプセル2.5μg)が製造承認を取得した。薬価収載後に発売される見込みである。適応は、「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」で、1日1回1カプセルを、夕食後または就寝前に服用する。

 血液透析患者におけるそう痒症は、炎症などを伴わない全身性の強いかゆみであるが、はっきりした原因は分かっていない。かゆみがひどいと、夜間に十分な睡眠がとれないなどの理由で患者のQOLが大きく損なわれたり、かゆい部分を引っ掻きすぎて皮膚を傷つけてしまうといったトラブルが起こる。従来は、かゆみの軽減を目的に、外用および経口の止痒薬(抗ヒスタミン薬など)が用いられてきたが、十分にかゆみを抑えられない場合も多かった。

 皮膚疾患以外によるかゆみには、透析患者のかゆみ以外にも、肝硬変や慢性腎不全による皮膚そう痒症、モルヒネ投与による中枢性のかゆみなどが知られている。これらのかゆみは、オピオイド受容体が関与しているのではないかと考えられている。

 鎮痛薬として用いられるモルヒネは、副作用としてかゆみを生じることがあるが、これはオピオイドμ受容体の刺激作用によるものであり、μ受容体拮抗薬の投与で改善する。一方、オピオイドκ受容体作動薬は、鎮痛作用はμ作動薬と同様だが、かゆみに対してはμ受容体の作用に拮抗し、かゆみを抑える方向に働くことが分かっている。

 そうした知見から開発されたのが、今回承認されたナルフラフィンである。ナルフラフィンは、日本で開発された世界初の選択的オピオイドκ受容体作動薬であり、抗ヒスタミン薬などの既存薬が無効なかゆみに対する有効性が確認されている。これまでになかった新しい作用機序のそう痒改善薬として、期待されている。

 今後、ナルフラフィンが臨床で使用されるようになることで、血液透析患者のQOL向上に大いに貢献することが期待される。ただし国内の臨床試験では、副作用(臨床検査値異常を含む)が39.7%に認められており、主な副作用としては、不眠(15.8%)、便秘(4.8%)、眠気(3.1%)、プロラクチン上昇(3.1%)などがある。使用時には注意したい。

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