2009年1月21日、2種類の降圧薬配合剤が承認を取得した。カンデサルタンシレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合錠(商品名:エカード配合錠LD、同配合錠HD)と、バルサルタン/ヒドロクロロチアジド配合錠(商品名:コディオ配合錠MD、同配合錠EX)である。

 どちらも、既存のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)に、サイアザイド系利尿薬であるヒドロクロロチアジド(HCTZ)を配合した製剤である。先行する同種の配合錠としては、2006年12月に発売されたロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジド配合錠(商品名:プレミネント錠)がある。

※カンデサルタンの商品名は「ブロプレス」。
※バルサルタンの商品名は「ディオバン」。
※ロサルタンの商品名は「ニューロタン」。

 近年、高血圧治療においては、ARBやアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬など、レニン・アンジオテンシン系を抑制する薬剤の使用頻度が高まっている。特にARBは、ACE阻害薬で高い頻度で発現する空咳の副作用がないことから評価が高い。

 しかし一方で、降圧薬を服用していても、十分に降圧できていないケースも多い。実際、既存の薬剤(単剤もしくは2剤以上の併用)で治療しているにもかかわらず、日本国内の高血圧患者の約70%は降圧目標値に達していないという報告もある。

 その点、ARBと少量の利尿薬を配合した製剤は、異なる作用機序の薬剤を2成分を組み合わせることで高い降圧効果が期待でき、臨床試験でもその降圧効果の高さが確認されている。また、いずれも1日1回1錠を服用するタイプで、患者の利便性が高いことも特徴である。例えば、1日1回1錠のARBの処方を、これらの配合剤に変更する場合も、服用する薬剤の錠数(種類)が増えるわけではないので、2剤を併用することに比べれば患者の抵抗感は少ないと考えられる。

 今回承認された2剤では、それぞれ成分含有量の違う2種類の錠剤が発売されるが、エカード配合錠はARBの含有量が異なるのに対し、コディオ配合錠は利尿薬の配合量が異なるという違いがある(下表)。また2剤とも、成分含有量の違いを示す商品名末尾の記号が「LD」と「HD」、「MD」と「EX」とアルファベット2文字になっている。混同したり、書き間違えないように注意したい。

エカード配合錠LD カンデサルタンシレキセチル4mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg
エカード配合錠HD カンデサルタンシレキセチル8mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg

コディオ配合錠MD バルサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド6.25mg
コディオ配合錠EX バルサルタン80mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg

〔参考〕プレミネント錠 ロサルタンカリウム50mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg

 なお両薬剤とも、適応は「高血圧症」ではあるが、添付文書には「過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと」と明記されている。ARB単剤で効果が不十分な場合に配合剤に切り替える、という使い方が中心になりそうだ。