2009年1月21日、アジスロマイシン水和物の新剤形製剤である「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」が製造承認を取得した。アジスロマイシンは、15員環マクロライド系抗菌薬として、日本でも2000年から臨床使用されているが、今回承認された成人用ドライシロップ剤は、1回だけの飲みきりタイプである点が特徴である。

 アジスロマイシンは、エリスロマイシンの基本骨格に窒素原子を導入することで、感染病巣への優れた薬剤移行性と長い半減期を実現し、軽症から中等症の急性呼吸器感染症に優れた臨床効果を発揮する抗菌薬である。

 特に、これまでの製剤では、1日1回、3日間投与すると、7日間効果が持続する(感受性菌に対する有効な組織内濃度が持続される)という、これまでの抗菌薬にない薬物動態が特徴で、患者の自己判断による休薬が起こりにくい点が評価されてきた。

 今回承認されたジスロマックSRは、さらに服用回数を減らし、1回服用するだけでその効果が7日間効果が持続するように設計された、成人用ドライシロップ製剤である。臨床試験でも、現行製剤(1回500mg、1日1回3日間服用)と比較して、投与後24時間のAUC(血中薬物濃度時間曲線下面積)は約3倍、Cmax(最高血中濃度)は約2倍と、優れた体内動態が確認されている。

 本製剤では、「マイクロスフェア製剤」(ポリマーからなる粒子径が数μm程度の球状の製剤)という新しい技術を採用することで、高用量(1回2g)の服用を可能にしている。この技術により、上部消化管における有害事象の軽減と、薬剤の徐放化が実現できたという。

 今回、ジスロマックに、この1回飲み切り製剤が追加されたことで、患者の自己判断による服薬中止がさらに起きにくくなり、不十分な服薬を原因とする薬剤耐性化の防止も期待できる。海外では2005年6月以降、56カ国で承認されている。

 ただし本薬剤は、1回の投与で血中濃度が7日間持続するため、服用から数日間後に副作用が出現したり、数日後に他薬剤を服用して薬物間相互作用が起こる可能性があるので注意が必要である。また副作用が発現した際も、7日目までは血中濃度が維持されてしまうため、対処が難しい可能性もある。アジスロマイシンには、ショック、アナフィラキシー様症状、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症などの重大な副作用も報告されている。

 また本薬は、食事の影響を受けやすく、食後に服用すると空腹時服用に比べてCmaxの上昇(約2.2倍)などが見られるため、空腹時の服用が基本となる。具体的には、「食後2時間以上経過してから服用し、服用後は2時間以上食事を控えること」と患者に指導する。