2008年10月16日、抗てんかん薬ラモトリギン(商品名:ラミクタール錠小児用2mg、同錠小児用5mg、同錠25mg、同錠100mg)が製造承認を取得した。適応は、「成人・小児における他の抗てんかん薬で十分効果が認められないてんかん患者の発作(二次性全般化発作を含む部分発作、強直間代発作、Lennox-Gastaut症候群における全般発作)に対する抗てんかん薬との併用療法」である。

 現在、日本のてんかん患者は約100万人と推定されているが、そのうちの3割は、既存の薬物療法ではコントロールできていないとされており、新しい機序の抗てんかん薬の登場が学会や患者団体から熱望されていた。そうした背景から、新しい抗てんかん薬が続々と開発され、わが国でも2006年にはガバペンチン(商品名:ガバペン)、2007年にはトピラマート(商品名:トピナ)が発売されている。

 今回承認されたラモトリギンは、これらに続く新しい抗てんかん薬となるが、上記2剤が成人のみの適応であるのに対し、ラモトリギンは小児にも適応を有する点が特徴である。また、様々なタイプの発作に有効とされ、特に、小児てんかんの中でも極めて難治性の「Lennox-Gastaut症候群」に適応を持つ、初めての抗てんかん薬として期待を集めている。

 さらに製剤的には、患者の状態や希望により、錠剤をそのまま咀嚼して服用するか、従来通り錠剤を水で服用するか、水に懸濁して服用するかを選択できる「チュアブル・ディスパーシブル錠」となっている点が特徴である。

 ラモトリギンは、トリアジン骨格を有し、神経細胞膜に存在するナトリウムイオンチャネルを頻度依存的かつ電位依存的に抑制することによって神経膜を安定させ、グルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することで抗痙攣作用を発揮する。

 海外では、アイルランドで1990年に成人部分てんかん患者に対する併用療法薬として承認されて以降、成人については105カ国以上、小児については94カ国以上で承認され、世界500万人以上のてんかん患者に使用されている。その有効性に対する評価は高く、米国のてんかんの治療指針といえるエキスパートコンセンサスガイドラインにおいても、部分てんかんおよび全般てんかんにおける併用療法の第1選択薬として位置付けられている。日本でも学会(日本小児神経学会、日本てんかん学会)から、早期の承認が要望されていた。

 今回、ラモトリギンが承認されたことで、てんかん治療の幅がさらに広がり、てんかん患者のQOL向上に役立つものと考えられる。ただし使用に当たっては、既存の薬剤と併用しなければならないこと、国内での臨床試験では副作用が比較的高頻度で認められている(成人:55.2%、小児:50.2%)ことに注意が必要である。主な副作用は、傾眠、めまい、肝機能障害、発疹などであり、重大な副作用では皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死症などの報告がある。