2008年7月16日、骨粗鬆症治療薬のリセドロン酸ナトリウム(商品名:アクトネル錠17.5mg、ベネット錠17.5mg)に、骨ページェット病の適応が追加された。骨ぺージェット病に使用する場合の用法・用量は「1日1回17.5mgを起床時に8週間連日経口投与」であり、骨粗鬆症で使用する場合の「1週間に1回17.5mgを起床時に経口投与」とは異なるので注意が必要である。

 骨ページェット病は原因不明の骨代謝疾患である。骨の代謝回転が著しく亢進することで骨変形や骨肥厚が起こり、疼痛や骨折が発生する。時に骨肉種にまで至る場合もあるため、早期治療が必要であるとされる。国内の患者数は200〜300人程度である。

 これまで骨ぺージェット病の治療には、カルシトニン製剤のエルカルシトニン(商品名:エルシトニンほか)や、ビスホスホネート製剤のエチドロン酸二ナトリウム(商品名:ダイドロネル)などが使用されてきた。今回、適応が追加されたリセドロン酸も、エチドロン酸と同じビスホスホネート製剤であるが、リセドロン酸はビスホスホネート製剤の中でも特に骨吸収抑制作用が強力で、石灰化抑制作用がほとんど認められない点が特徴であり、骨ぺージェット病に対しても有効性が期待できる。

 実際、海外におけるエチドロン酸との二重盲検比較試験では、エチドロン酸投与群よりもリセドロン酸投与群の方が骨ぺージェット病に対する有効性が高いことが確認されている。リセドロン酸は、米国やEU(欧州連合)主要国などでは既に、骨ページェット病に対しても適応を有しており、日本では、厚生労働省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、今回、優先審議によって適応追加となっている。

 使用に当たって注意したいのは、冒頭にも書いたように、骨粗鬆症と骨ぺージェット病とで用法・用量が異なる点である。メーカーは、2007年6月から発売されている骨粗鬆症治療用の包装(1錠シートと2錠シート)とは別に、骨ページェット病用の包装(7錠シート)を用意しているので、投薬時には治療対象疾患がどちらなのかを考慮して使い分けるようにしたい。

 主な副作用は、下痢、胃不快感、末梢性浮腫などであり、国内の臨床試験(17.5mg/日投与時)では、副作用発現頻度は25.0%と報告されている。使用にあたっては、最近話題になっている「顎骨壊死」「顎骨骨髄炎」などの重大な副作用についても十分に把握し、それらの症状を慎重に観察するとともに、患者にも初期症状などについて事前に説明をしておく必要があるだろう。