2008年6月13日、経口エストラジオール製剤(商品名:ジュリナ錠0.5mg)が薬価収載された。本薬剤は、4月16日に製造承認を取得しており、近々発売される予定である。適応は「更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、膣萎縮症状」であり、用法・用量は「成人1日1回0.5mg、増量する場合には1日1回1mg経口投与」となっている。

 更年期障害は、閉経(50歳前後)を挟んだ約10年間に起こる心身の様々な不調症状であり、卵巣機能の低下によるエストロゲン欠乏、特にエストラジオールの欠乏が原因である。症状は、のぼせ、手足の冷え、発汗、不眠、めまい、動悸、頭痛など多岐にわたる。更年期障害を抱えている女性は、国内に1800万人ほどいると推定されており、「メノポーズ世代」と称されている。

 エストロゲン欠乏による不調症状の改善には、一般に「エストロゲン補充療法」が行われる。エストロゲン補充療法に使用されるエストロゲン製剤は、多くの剤形が開発されているが、日本では、経口剤、注射剤、貼付剤、ゲル剤が使用可能である(海外では点鼻剤も使用されている)。このうち、エストロゲンの中でも生理活性が高いとされる「天然型エストラジオール」を主成分とする製剤は、貼付剤(商品名:エストラーナなど)とゲル剤(商品名:ディビゲル、ル・エストロジェル)しかなく、経口のエストロゲン製剤は、結合型エストロゲン(商品名:プレマリン)もしくはエストリオール(商品名エストリール)であった。

 今回、薬価収載されたジュリナ錠は、経口剤としては初めての天然型エストラジオール製剤である。経口のエストロゲン製剤を希望する患者にとっては、結合型エストロゲン、エストリオールに加えて、天然型エストラジオールという新しい選択肢が加わったことになる。また、天然型エストラジオールの貼付剤を使用していた患者で、皮膚刺激などの理由で継続が難しくなった場合の代替薬剤としても、本薬は有用であろう。なお、本剤の海外での標準用量は1日1回1.0mgであるが、ジュリナ錠は1錠0.5mgで用量は1日1回1〜2錠となっており、効果と安全性を考慮しながら用量調節することが可能である。

 使用に当たっては、ほかのエストロゲン製剤と同様、問診や婦人科検診などで病状を確認し、使用が適切かどうかを十分に検討しなければならない。また、投与中に生じる危険がある静脈血栓塞栓症や血栓静脈炎などの副作用についても、事前に十分説明し理解させておく必要がある。