2008年7月8日、女性ホルモン製剤のルナベル配合錠が発売される。同薬は、4月16日に製造承認を取得し、6月13日に薬価収載されている。適応は「子宮内膜症に伴う月経困難症」で、用法・用法は「1日1錠、毎日一定時間に21日間経口投与し、その後7日間休薬する」となっている。

 月経困難症は、月経期間中に月経に随伴して起こる下腹痛、腰痛、腹部膨満感、悪心、頭痛、脱力感などの病的症状のことである。月経困難症は、子宮内膜症など骨盤内に器質性病変のある「器質性月経困難症」(続発性月経困難症)と、子宮内膜に増加したプロスタグランジンの関与が考えられている「機能性月経困難症」(原発性月経困難症)に大別される。

 このうち、月経困難症を伴っている子宮内膜症の患者では、薬物治療として、疼痛緩和などを目的とした対症療法と、内膜病変を改善するためのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストなどを使った内分泌療法が行われてきた。具体的に抗ゴナドトロピン作用を有する薬剤としては、経口製剤ではダナゾール(商品名:ボンゾールほか)、点鼻製剤ではブセレリン酢酸塩(商品名:スプレキュアほか)や酢酸ナファレリン(商品名:ナサニールほか)、注射製剤ではリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン)、ゴセレリン酢酸塩(商品名:ゾラデックス)などが使用されている。これらのGnRHアゴニストは、卵巣機能抑制作用により子宮内膜症病巣が縮小する。

 しかしGnRHアゴニストは、うつ症状などの更年期障害や骨量減少などの副作用も高頻度に発現することから、6カ月以上の長期投与が不可とされている。このことから、有効性を保持しつつ、長期投与が可能な安全性の高い薬剤の早期承認が望まれていた。

 今回、発売されるルナベル配合錠は、卵胞ホルモン(ノルエチステロン)と黄体ホルモン(エチニルエストラジオール)を配合した薬剤で、日本では同一成分で配合量も同じ「オーソM-21」が既に1999年から経口避妊薬(一相性低用量ピル)として使用されている。低用量ピルは、海外では子宮内膜症の治療にも第一選択薬として使用されており、日本でも専門医などでは、適応外で子宮内膜症の治療に使用されていた。ルナベル配合錠が発売されることで、日本でも「子宮内膜症に伴う月経困難症」の適応を有する低用量ピルが登場することになる。

 ルナベル配合錠を使用する場合には、従来の経口避妊薬と同様、投与できない場合があることや、投与中に発現する可能性がある副作用のことを、事前に患者に説明しておく必要がある。主な副作用としては、不正性器出血(59.1%)、悪心(26.3%)、頭痛(16.2%)、希発月経(14.6%)、上腹部痛(8.6%)、乳房不快感(8.1%)、月経過多(7.1%)などであり、重大な副作用としては、血栓症、アナフィラキシー様症状も報告されている。

■訂正 2011/6/20に以下の点を修正しました。
・5段落目に「卵胞ホルモン(ノルエチステロン)と黄体ホルモン(エチニルエストラジオール)を配合した薬剤」との記述がありましたが、正しくは「卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)と黄体ホルモン(ノルエチステロン)を配合した薬剤」でした。