「バキソカプセル」の添付文書(2008年4月改訂・第9版)より。下線が今回の新設部分。

 2008年4月3日、オキシカム系NSAIDsについて承認事項の一部変更が承認され、効能・効果から「外傷後、手術後の鎮痛・消炎」が削除されるなどの添付文書改訂が行われた。対象となったのは、ピロキシカムのカプセル剤(商品名:バキソカプセルほか)と坐剤(商品名:バキソ坐剤、フェルデンサポジトリほか)、アンピロキシカムのカプセル製剤(商品名:フルカムなど)である。

 具体的には、添付文書中の「効能・効果」から、カプセルでは「外傷後、手術後及び抜歯後の鎮痛、消炎」が、坐剤は「外傷後、手術後の鎮痛、消炎」が削除されたほか、「効能・効果に関連する使用上の注意」「用法・用量に関連する使用上の注意」が新設された(右図)。

 この添付文書改訂は、2007年6月に欧州規制当局(EMEA:European Medicines Agency)の勧告に沿った内容となっている。EMEAは、勧告の根拠として、2005〜2006年にレビューされた安全性データと臨床試験データ、および疫学的調査などの情報を挙げており、具体的には次のような使用制限を勧告している。(EMEAの文書のPDFファイルはこちら


◆外傷などによる急性疼痛には使用しないこと。
◆慢性疾患に関しては第2選択薬とすること。

【理由】ピロキシカムの血中濃度半減期が約50時間と長い。ピロキシカムと同様の効果を有し、より安全な治療薬がある。

◆最大1日用量はピロキシカムとして20mgまで。
◆投与開始14日後には治療の再評価を行うこと。

【理由】2つのメタアナリシスの結果から、消化管障害のリスクの増加が1日用量20mg(ピロキシカムとして)を超えた事例に顕著に認められた。また、3つのケースコントロールスタディーより、NSAIDsの30日以内での使用は、消化管障害イベントのリスク上昇に関係していた。


 今後、ピロキシカムおよびアンピロキシカムの使用に際しては、最新の添付文書で注意事項を確認するとともに、適用を絞る必要があるだろう。また、特に高齢者では穿孔を伴う消化性潰瘍、胃腸出血、浮腫等が現れやすいので、十分な注意・観察が必要である。