2008年1月25日、放射性医薬品・放射免疫療法薬のイブリツモマブチウキセタン(商品名:ゼヴァリン)が製造承認を取得した。分子標的薬のリツキシマブ(商品名:リツキサン注)と併用し、「CD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫」を治療する薬剤である。まもなく薬価収載され、発売される見込みである。

 B細胞性非ホジキンリンパ腫NHL)の治療成績は、リツキシマブ単独、さらにリツキシマブを併用したR-CHOP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロンの併用療法)を行うことで、飛躍的に向上した。しかし一方で、一定の割合で再発や再燃などの増悪症例も認められることが報告されており、その原因としては腫瘍細胞への到達や抗体濃度の不十分などが推測されている。

 その対策として開発されたのが、今回承認されたマウス型抗CD20モノクローナル抗体であるイブリツモマブチウキセタンを使った放射免疫療法(RIT)である。具体的には、マウス型CD20モノクローナル抗体(イブリツモマブ)を、β線を放射する放射性同位元素のイットリウム(Y-90)で標識した薬剤であり、静脈内投与するとCD20陽性細胞に集積し、β線でその細胞を破壊する。本薬は、2002年に米国で承認されて以降、現在まで世界40カ国以上で承認され、臨床上高い評価を得ている。

 治療に用いる製剤は、イブリツモマブチウキセタンをY-90で標識した「ゼヴァリン イットリウム-90静注用セット」であるが、別に、放射性核種インジウム-111(In-111)で標識した「ゼヴァリン インジウム-111静注用セット」も発売される。治療用のY-90が放出するβ線は体外へ透過せず、体内での分布を確認できないため、治療前に、透過性の高いγ線を放射するIn-111で標識したイブリツモマブチウキセタンを静注して体内分布を予測し、Y-90製剤での治療の可否を決めるという使用法である。また、併用するリツキシマブは、Y-90やIn-111で標識したイブリツモマブチウキセタンを腫瘍細胞に集まりやすくし、正常細胞の被爆を少なくする目的で、これら放射性医薬品に先だって投与することとされている。

 なお本薬は、放射性同位元素を使用するため放射線管理区域内での調製が必要であること、使用前に、日本血液学会、日本核医学会、日本医学放射線学会、日本腫瘍放射線学会の4学会が主催する「安全取扱講習会」を受講する必要があることを知っておきたい。