2007年7月31日、尖形コンジローマ治療薬のイミキモド(商品名:ベセルナクリーム5%)が製造承認を取得した。既に薬価にも収載されており、近く発売される見込みである。同薬は、「尖形コンジローマ」に適応を持つ日本初の薬剤である。

 尖形コンジローマは、性行為により伝播する性感染症の一つであり、ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)により感染するといわれている。感染患者は、性活動の活発な年代の女性に多く認められるが、しばしば患者のパートナー(男性)にも広がる。また、まれに親や医療従事者の手指を介して幼児に感染し、発症するケースも報告されている。女性では、大小陰唇、膣前庭、膣壁、子宮頚部などに乳頭状、鶏冠状あるいはカリフラワー状の結節が多発するのが特徴で、肛囲、尿道口に発生することもある。自覚症状を欠くことも多いが、時にそう痒感や疼痛を訴える場合もある。

 これまで尖形コンジローマの治療では外科療法が中心だった。具体的には、液体窒素を使用した凍結療法や、炭酸ガスレーザーを使用したレーザー蒸散療法などであり、病変部位の破壊を目的としたものである。だが、これらの外科療法は効果は確実なものの、強い痛みを伴うとともに、患部にびらんや潰瘍を生じ、瘢痕が残る症例もあることが問題とされている。また治療に当たって入院が必要になるなど、患者への負担も大きい。外科療法以外に、外用のフルオロウラシル(商品名:5-FU軟膏)を使用する治療も行われているが、保険適用はなく、びらんや潰瘍などの副作用も認められていた。

 今回承認されたイミキモドは、インターフェロンなどのサイトカインを誘導するとともに、細胞性免疫応答の賦活化により、HPVなどに対する抗ウイルス作用を発揮する薬剤である。1997年に米国で承認されて以降、2007年7月までに世界約40カ国以上で発売されている。外科療法に比べて患者への負担が大きく軽減されることから、実際に尖圭コンジローマの治療に当たっている多くの医師からは、日本での発売が待望されていた。

 使用に当たっては、イミキモドに刺激性があることから、局所の炎症反応を防止するために、患者に用法用量を遵守させる必要がある。具体的には、外性器または肛門周囲の疣贅部分に1日1回を週3回、就寝前に塗布し、翌朝起床後に石鹸を用いて洗い流す。また、使用期間は原則16週間までとなっている。