2007年7月31日、勃起不全治療薬タダラフィル(商品名:シアリス錠5mg、10mg、20mg)が製造承認を取得し、9月12日に発売された。適応は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者)」である。医師による処方が必要な「処方せん医薬品」であるが、薬価基準には収載されておらず、自由診療(保険外診療)でのみ使用可能である。

 日本では現在、1130万人の男性が勃起不全(ED)に罹患していると推定されている。治療では、陰茎海綿体に多く存在し、勃起を妨げる働きがあるホスホジエステラーゼ(PDE)5を選択的に阻害する「PDE5阻害薬」が使用される。PDE5治療薬としては、1999年に発売されたクエン酸シルデナフィル(商品名:バイアグラ)、2004年に発売された塩酸バルデナフィル水和物(商品名:レビトラ)が既に販売されており、今回発売されたタダラフィルは3番目のED治療薬となる。

 タダラフィルの特徴は、従来のED治療薬に比べて作用持続時間が36時間(血漿中半減期:約14〜15時間)と長く、食事の影響を受けにくいことである。これまでのシルデナフィル(血漿中半減期:3.23〜3.31時間)やバルデナフィル(血漿中半減期:約3.2〜5.3)は、作用持続時間がどちらも4時間前後であり、服薬のタイミングが難しい場合があることが指摘されていた。この点、タダラフィルは、服薬のタイミングや効果継続時間を心配することなく使用できる。海外では、2003年に米国で発売されて以降、2007年7月現在、100カ国以上で使用されている。

 副作用は、国内の用量反応試験(5mg〜20mg投与)で、27.2%に認められている。主な副作用症状は、頭痛(11.3%)、潮紅(5.1%)、ほてり(3.5%)、消化不良(2.3%)などである。

 なお、タダラフィルも、従来のED治療薬と同様、硝酸薬やニトログリセリンなどとは併用禁忌である。これら一酸化窒素(NO)供与薬にPDE5阻害薬を併用すると、降圧効果が増強し、過度の血圧低下を引き起こす危険性があるからである。また、これまでに死亡例を含む心筋梗塞など重篤な心血管系の有害事象が報告されていることから、タダラフィル使用予定の患者が心血管系障害を有していないことを事前に確認しておかなければならない。