2007年7月31日、抗てんかん薬トピラマート(商品名:トピナ錠50mg、同100mg)が製造承認を取得した。薬価収載後に発売される見込みである。ほかの抗てんかん薬と併用することとされており、適応は「ほかの抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」である。

 てんかんは、てんかん発作を繰り返し起こす大脳の慢性疾患であり、臨床症状や発作時の脳波の状態から、「部分てんかん」と「全般てんかん」に分類される。どちらも治療は薬物療法で発作を抑制することが中心となるが、現在でも既存の抗てんかん薬治療の組み合わせでは十分な発作抑制が得られない「難治性てんかん」が全体の20〜30%程度を占め、その半数が部分発作(部分てんかん)であることが知られている。

 欧米各国では、この難治性てんかんの治療を目的として開発された薬剤がこの10年で続々と登場し、てんかん治療の進歩に大きく貢献している。一方、日本ではこれら新薬の承認が遅れていたが、ゾニサミド(1989年)、クロバザム(2000年)、ガバペンチン(2006年)に続き、ようやく今回トピラマートも承認されたという状況である。ちなみにトピラマートは、海外では95年に英国、96年に米国で承認されており、2007年7月現在では世界100カ国以上で承認されている。

 トピラマートは、既存の抗てんかん薬が有する作用以外に、てんかん発作のきっかけとなるAMPA受容体(グルタミン酸受容体の一種)にも作用することが特徴である。国内の第3相臨床試験では、難治性の部分てんかん患者において、ほかの抗てんかん薬に併用してトピラマートを投与したところ、併用しない群に比べて有意に発作発現頻度が減少したことが確認されている。なお日本で承認されたのは他のてんかん薬との併用療法であるが、海外の臨床試験では、トピラマート単独でも、てんかんの部分発作などに対する有効性が認められている。

 トピラマートは今後、同じ適応を有するガバペンチンとともに、既存の薬剤では発作がコントロールできない部分発作症例に対して広く使用されていくものと考えられる。ただし同薬には、注意力・記銘力低下、言語障害、抑うつ状態といった中枢性の副作用が認められているほか、重大な副作用として、(1)代謝性アシドーシス、(2)閉塞隅角緑内障およびそれに伴う急性近眼、(3)乏汗およびそれに伴う高体温――などの報告があるので、注意が必要である。