2007年4月18日、経口腸管洗浄薬の「ビジクリア錠」が製造承認を取得し、6月15日から販売される予定である。適応は「大腸内視鏡検査の前処置における腸管内容物の排除」である。大腸内視鏡検査開始の4〜6時間前から、1回当たり5錠ずつ、約200mLの水とともに15分ごとに計10回(計50錠)服用する。

 大腸疾患、特に難治性炎症疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)や大腸癌は、近年日本でも罹患率が上昇しており、これらの疾患の確定診断や治療において大腸内視鏡検査が必要不可欠なものとなっている。内視鏡検査では、上部消化管であれば前日からの禁食で十分な場合も多いが、大腸内視鏡検査となると、腸管内の糞便などを完全に排出する必要があり、いわゆる腸管前処置が必要となる。これまで、腸管前処置に使用される経口腸管洗浄薬としては、ポリエチレングリコール(PEG)を主体としたニフレック(粉末)、マグネシウムを主体としたマグコロール(液剤)、マグコロールP(粉末)などが使用されている。これらの腸管洗浄薬はいずれも、等張化するために多量の水で溶解して服用するが、服用液量が多く、味にも問題があるため、患者が服用時に嘔気を催すなどして、時に、必要十分量を経口摂取できないケースがあり、問題となっていた。

 今回、発売となったビジクリア錠は1錠中にリン酸二水素ナトリウムと無水リン酸水素二ナトリウム(リン酸ナトリウム塩として1g)を含有する、日本で初めての錠剤タイプの腸管洗浄薬である。錠剤を水で服用するので味の問題はなく、1回の検査で服用する錠数は50個と多いものの、10回に分けて飲むことができるので患者の負担は少ないと考えられる。

 ビジクリアは、これまでの液剤に置き換わる形で、大腸内視鏡検査の前処置に広く使用されていくものと考えられる。ただしニフレックでは、服用後の腸管内圧上昇による腸管穿孔および腸閉塞が報告されたことから、2003年9月に緊急安全性情報(ドクターレター)が発布されており、ほかの経口腸管洗浄薬でも同様の注意が必要である。具体的には「消化管に閉塞のある患者、またはその疑いのある患者、および重症の硬結便のある患者」は投与禁忌であることを十分に留意する。また投与前には、患者の日常の排便の状況を確認し、投与開始後も、腹痛などの有無を確認しながら投与を続ける。特に、生理機能が低下した高齢者や消化管に狭窄がある患者などでは、慎重に観察を行う必要がある。