2007年4月18日、喘息治療薬「アドエア」が製造承認を取得した。近く薬価収載され、発売される見込みである。アドエアは、日本で1998年から販売されている吸入ステロイド薬のフルチカゾン(商品名:フルタイド)と、同じく2002年から販売されている長時間作用性吸入β2刺激薬のサルメテロール(商品名:セレベント)の2薬剤を配合したドライパウダー製剤である。β2刺激薬の含有量が一定で、吸入ステロイドの用量が異なる3製剤「アドエア100ディスカス」「同250ディスカス」「同500ディスカス」が発売される。

 喘息治療の国際ガイドラインである「GINA2006」では、低用量吸入ステロイド薬だけで十分に喘息をコントロールできない場合に、第1選択薬として吸入ステロイド薬と長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が推奨されている。また、日本の「喘息予防・管理ガイドライン2006」でも、ステップ2(軽症持続型)以上の患者には、吸入ステロイド薬と長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が推奨されている。こうした2剤の併用が必要とされる患者にとって、両剤が配合されているアドエアは、使いやすく、良好なコンプライアンスが期待できる薬剤といえる。

 そもそも吸入ステロイド薬は、喘息に対して気道の炎症をコントロールする作用を持ち、一方の吸入β2刺激薬は、気管支拡張作用により気道の狭窄をコントロールする。合剤であるアドエアは、それぞれの薬剤の作用を併せ持つことになるが、加えて2薬剤を併用することによる相乗効果も期待できることが分かっている。具体的には、ステロイドがβ2受容体数を増加させてβ2刺激薬の効果を高めるとともに、β2刺激薬がステロイド薬と結合したステロイド受容体の核内移行を促進し、ステロイドの作用を増強する。実際に、国内外の臨床試験(国内:FIRSTスタディ、海外:GOALスタディ)では、この2剤の併用により、吸入ステロイド薬の減量が可能となったり、喘息のコントロールが良好になる症例も確認されている。

 アドエアは、こうした点が評価され、98年に欧州で承認されて以来、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療薬として、世界120カ国以上で使用されている。発売後は、日本でも使用頻度が高くなることが予想されるが、使用時には以下の点に十分に注意する必要がある。
《1》対象となる患者がアドエアの適応(気管支喘息で吸入ステロイドおよび長時間作用性β2刺激薬の併用が必要な場合)と合致していること。また有効な抗菌薬の存在しない感染症・深在性真菌症の患者でないことを事前に確認すること。
《2》急性の喘息発作には短時間型吸入β2刺激薬であるサルブタモール(商品名:サルタノールほか)などを使用すること。
《3》副作用に注意すること。重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、血清カリウム値低下が知られており、そのほかに嗄声、口腔カンジダ症、咽頭刺激感などが報告されている。