2007年4月18日、吸入ステロイド喘息治療薬のシクレソニド(商品名:オルベスコ50μg、100μg、200μgインヘラー)が製造承認を取得した。近く薬価収載され、発売される見込みである。

 シクレソニドは、日本で発売されている成人用の吸入ステロイド気管支喘息治療薬としては、プロピオン酸ベクロメタゾン(商品名:キュバールほか)、プロピオン酸フルチカゾン(商品名:フルタイド)、ブデソニド(商品名:パルミコート)に次ぐ、4番目の薬剤となる。また、ブデソニドはドライパウダー吸入薬しかないので、ノンフロンタイプの定量噴霧吸入剤としては3番目となる。欧州では2005年から発売され、既に世界の40カ国で承認されている。

 シクレソニドは、成人用としては日本で初めて「1日1回投与」が認められた吸入ステロイド薬である(小児用ではパルミコート吸入液で1日1回投与が可能である)。これはシクレソニドが、肺内で加水分解酵素エステラーゼにより活性代謝物に変換される「局所活性化型薬剤」であり、その代謝活性物が、脂肪酸と結合して可逆的に脂肪酸抱合体を形成することで肺組織内に滞留することと関係している。エアゾール剤であることから微細粒子の割合が高く、肺内到達率が約52%と良好であることも特徴である。

 またシクレソニドは、既存の吸入ステロイド薬で認められる口腔咽頭部内の副作用(嗄声、口腔内カンジダ症など)の発現が少ないことが確認されている。これは、同薬の口腔内付着率が低いことに加え、肺内で活性化する局所活性化型薬剤であることが関与していると推測される。さらに、蛋白への結合親和性が高いことから、血中に移行したシクレソニドによる全身性の副作用(副腎皮質機能抑制、白内障、緑内障など)も起こりにくいと考えられ、かつ肝臓での代謝も速いことが分かっている。

 今回承認されたシクレソニドは、このように既存の吸入ステロイド薬とは異なる幾つかの特徴があることから、今後、喘息治療薬として広く臨床で使用されていくものと思われる。なお、使用する際には、(1)通常の1日1回の用量(100〜400μg)の場合は夜の投与が望ましく、1日最大用量(800μg)の場合には朝と夜の1日2回投与となること、(2)既存の吸入ステロイド薬よりも口腔内や全身性の副作用は少ないものの、皆無ではないため、従来どおりの注意や指導も必要であること――に注意したい。