2007年3月28日、厚生労働省は、アセトアミノフェン製剤(一般用医薬品を除く)の製造・販売承認を有しているすべての製薬企業に対して、同薬の小児科領域における効能・効果や用法・用量等を追加する「承認事項一部変更」の申請をするよう要請した。このための治験は行われない。各社の申請は、この通知から1カ月以内に行うように指示されており、近く全製剤の添付文書が改訂されるものと見られる。

 アセトアミノフェンは、イブプロフェン(商品名:ブルフェンほか)とともに、小児領域におけるスタンダードな解熱薬として世界各国で認められている代表的薬剤である。また、わが国で成人・小児を問わず使用頻度が高いジクロフェナク(商品名:ボルタレンほか)やメフェナム酸(商品名:ポンタールほか)では、小児のインフルエンザ脳炎・脳症発症との関連性が疑われており、その影響もあって、小児用の解熱薬としてのアセトアミノフェンの有効性や安全性が再認識されている。こうした背景から、小児の発熱においてはアセトアミノフェンが第1選択薬となっている。またアセトアミノフェンは、鎮痛作用を有しており、臨床現場では、小児の頭痛や咽頭痛、術後の疼痛緩和などにも広く使用されている。

 しかし一方で、一部のアセトアミノフェン製剤は、添付文書上で小児への適応が明示されていなかったり、用法・用量が設定されていないという問題が指摘されていた。現在使用されているアセトアミノフェン製剤には、経口剤(末、細粒、錠、ドライシロップ、シロップ)と坐剤があるが、このうちドライシロップ、シロップ、坐剤のみが「小児領域の解熱」に限定されて効能・効果を有している状況である。つまり、小児の発熱に上記以外の剤形のアセトアミノフェン製剤を使用したり、鎮痛効果を期待してアセトアミノフェン製剤を使用することは、適応外使用だったのである。また、これ以外にも、小児への用法・用量の設定が経口剤と坐剤で異なり、相対的に坐剤の用量が少ないこと、国内外に十分なエビデンスがあるにもかかわらず、使用上の注意事項で「小児等に対する安全性は確立されていない」と記載されている製剤がある、といった問題もあった。

 こうしたことから、日本外来小児科学会が中心となり、厚生労働省の「小児薬物療法検討会議」で検討が行われ、昨年末、アセトアミノフェン製剤に関しては、小児薬物療法に関する承認事項の一部変更が必要であると結論された。その後、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会が、同検討会議がまとめた報告書を根拠とした「承認事項の一部変更申請」を認めたことで、今回の各製薬会社への通知となったのである。

 小児薬物療法検討会議の資料によると、この申請による改訂で、小児科領域での効能・効果は「小児科領域における解熱および鎮痛」となり、用法・用量は「通常、乳児、幼児および小児にアセトアミノフェンとして、体重1kg当たり1回10〜15mgを使用する。使用間隔は4〜6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし、成人の用量を超えない」と記載される予定である。詳細は、近く改訂される添付文書を確認されたい。