2007年3月8日、肝・胆・消化機能改善薬のウルソデオキシコール酸UDCA、商品名:ウルソ錠50mg、同100mg)に「C型慢性肝疾患における肝機能の改善」の適応が追加承認された。用量は「通常、成人1日600mgを3回に分割経口投与」である。

 UDCAは、胆汁分泌促進作用(利胆作用)、胆汁うっ滞改善作用、消化吸収改善作用、胆石溶解作用などの多彩な薬理作用を持つことから、胆道系疾患や肝疾患、コレステロール系胆石などの治療に広く使用されてきた。さらにUDCAには、疎水性胆汁酸の肝細胞障害性を軽減する効果(置換効果)や、サイトカイン・ケモカイン産生抑制などによる肝機能改善作用があり、肝庇護薬としても使用頻度が高い。ちなみに、肝疾患による炎症の指標であるASTやALTを低下させる目的で使用される肝庇護薬には、本薬以外に、漢方薬の小柴胡湯やグリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンCほか)などがある。

 今回、UDCAが適応を追加取得した「C型肝炎」は、RNAウイルスの一種であるC型肝炎ウイルス(HCV)が血液を介して感染し、急性肝炎を引き起こす疾患である。HCVは、他の肝炎ウイルスと比べても、慢性感染(C型慢性肝炎)から、肝硬変、肝癌に進展する確率が高いとされている。

 C型慢性肝炎の治療では、近年、HCV排除を目的に、各種インターフェロン(IFN)やリバビリンを用いた抗肝炎ウイルス療法が中心となっている。しかし、こうした治療でも効果不十分な場合や、副作用(インフルエンザ様症状など)によりIFNの使用継続が困難な場合には、肝庇護薬を使用して肝臓の炎症を抑え、症状の進展を抑制することが治療の主体となる。こうした目的で使用される肝庇護薬の中でもUDCAは、他薬に比べて目立った副作用が少ないことが特徴であり、比較的安心して長期投与できる使いやすい薬剤として知られていた。

 実際、C型慢性肝炎においても、1990年代ごろから、UDCAの有用性を示唆する臨床報告が国内外で数多く発表されており、早期の追加承認を求める声も多かった。今回の追加承認は、こうした臨床現場の声を反映したものである。

 今回、適応が追加承認されたことで、UDCAの使用頻度はますます高まるものと考えられる。ただしC型慢性肝炎においては、その根本的な治療はあくまでも抗ウイルス療法であり、UDCAは補助的な薬剤であることを認識しておくことが必要であろう。