2007年3月1日、一般用医薬品OTC薬)の睡眠改善薬ナイトール」が発売された。主成分は、抗ヒスタミン薬塩酸ジフェンヒドラミンであり、効能は「一時的な不眠による次の症状の緩和:寝つきが悪い、眠りが浅い」である。塩酸ジフェンヒドラミンを使ったOTCの睡眠改善薬は、2003年4月に発売された「ドリエル」に続き、2製品目となる。

 塩酸ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミンH1受容体拮抗薬に分類され、古くからアレルギー性鼻炎などの治療に広く使用されている薬剤である。本薬は、強力な抗ヒスタミン作用を有するが、一方で、副作用として強い睡眠作用を有することが知られていた。このため、アレルギー疾患の治療に使用する際には、眠気を生じることを事前に患者に伝え、服用中の自動車などの運転等には十分注意させる必要がある。

 この眠気の副作用を逆に利用し、睡眠改善薬として応用したのが、ナイトールやドリエルなどのOTC睡眠改善薬である。世界的に見ると、塩酸ジフェンヒドラミンはOTCの睡眠改善薬として長年使用されており、世界15カ国以上で承認されている。

 ナイトールは、1回2錠を就寝前に服用する。1錠中に、塩酸ジフェンヒドラミンを25mg含有し、6錠入りと12錠入りの包装形態がある。同薬の催眠効果は、個人差があるものの、投与後30分〜1時間に発現し、8時間程度持続する。投与禁忌は、(1)妊婦、(2)15歳未満の小児、(3)日常的な不眠や不眠症の診断を受けた患者、(4)授乳−−である。また、塩酸ジフェンヒドラミン製剤と同様の催眠作用、抗ヒスタミン作用を持つ薬剤は併用禁忌となっており、具体的には、「他の睡眠鎮静薬、風邪薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を有する薬剤(鼻炎用内服薬、乗り物酔い薬、アレルギー用薬)」は併用してはならない。これらを医療用医薬品として処方する際には、患者がナイトールやドリエルなどのOTC睡眠改善薬を使用していないかどうか、確認する必要があるだろう。

 なお、ナイトールなど、OTCの睡眠改善薬である塩酸ジフェンヒドラミン製剤は、2〜3日程度の一時的な不眠に使用するのが妥当であり、睡眠障害が1週間以上続くような場合や精神神経疾患に伴う睡眠障害などには、医療用医薬品のベンゾジアゼピン系薬などを使用すべきであるとされている。