2007年1月26日、子宮内避妊システムの「ミレーナ52mg」(有効成分:レボノルゲストレル)が製造承認を取得した。ミレーナは、子宮内に挿入する避妊器具に、医薬品であるレボノルゲストレル(黄体ホルモン)を組み合わせた、新しいタイプの子宮内避妊器具である(分類上は医薬品)。

 一般に避妊法には、経口避妊薬(ピル)、コンドーム法、子宮内避妊器具(IUD)法などがある。このうちIUDは、全身への影響がほとんどないなど安全性に優れるほか、パートナーの男性の協力を必要とせず、子宮内に挿入するだけで避妊効果を発揮する点が特徴である。IUDによる避妊の機序は必ずしも明らかではないが、子宮内の異物反応により、精子や卵子の受精能が低下するものと考えられている。日本では、1974年に太田リングが認可された後、IUDの軸に銅製のワイヤーを巻きつけた銅徐放型IUD(商品名:ノバT380)が認可されている。放出される銅イオンは、受精阻害作用を増強されると考えられている。

 今回承認されたミレーナは、形状は銅徐放型IUDと同じであり、T字形で、水平軸32mm、垂直軸32mmの大きさである。垂直軸には、銅徐放型IUDでは銅線が巻き付けられているのに対し、ミレーナでは、プロゲスチン製剤のレボノルゲストレルを子宮内に徐々に放出する仕組みが組み込まれている。一定の割合で放出されるレボノルゲストレルが子宮内膜に作用するとともに、子宮頸管粘液の粘性を高めて精子の通過を阻止することで、妊娠の成立を阻害する。避妊効果は、1回の装着で5年間、持続することが確認されている。装着や除去は、産婦人科医が行う。

 従来のIUDと比べた場合、ミレーナは、使用により月経時の出血量が減少することが特徴の一つである。このため、従来のIUDは過多月経の女性には使用できなかったが、ミレーナでは使用可能である。本製剤は、既に世界111カ国で承認されており、海外での臨床試験結果から装着5年目までのパール指数(女性100人が1年間、その避妊法を使用した場合の妊娠率)は、0.14と高い避妊効果が確認されている。

 ミレーナは、出産経験があり、これ以上妊娠を希望しない女性、次の出産まで期間を空けたい女性、長期にわたり避妊を望む女性などに適しているとされる。ただし、装着時には性感染症のリスクが高まることや、途中で脱落する可能性もあることなどに留意し、事前に患者に説明しておく必要があるだろう。