2007年1月26日、抗ウイルス薬のコペガス錠200mg(一般名:リバビリン)が製造承認を取得した。リバビリンは、1972年に合成されたヌクレオチドアナログの一種であり、RNAおよびDNAウイルスに対して幅広い抗ウイルス活性を有することが確認された薬剤である。日本では、インターフェロン製剤と併用するC型慢性肝炎治療薬として、2001年から「レベトールカプセル」が使用されており、コペガス錠は国内で2番目のリバビリン製剤となる。

 C型慢性肝炎の治療には、従来からインターフェロンが使用されてきたが、C型肝炎ウイルス(HCV)のジェノタイプによって治療効果が異なり、特に日本人に多いジェノタイプ1bは有効率が低いため問題となっていた。このため現在では、ジェノタイプ1bにも有効率が高いインターフェロンとリバビリンの併用療法が中心となっている。

 また一方で、インターフェロン製剤も改良が重ねられ、アミノ酸配列の変更で薬効を強化した「コンセンサス・インターフェロン」や、ポリエチレングリコール(PEG)を付加して持続性を高めた「ペグインターフェロン」がC型肝炎の治療に使用されるようになった。これらの新しいインターフェロン製剤のうち、ペグインターフェロンα-2b(商品名:ペグイントロン皮下注用)では、2004年からリバビリン製剤のレベトールカプセルとの併用が認められている。

 今回承認されたコペガス錠も、レベトールカプセルと同様、インターフェロン製剤と併用してC型慢性肝炎の治療に使用される薬剤である。違いは、併用できるインターフェロンの種類である。具体的には、レベトールカプセルで併用が認められているのは、前述のペグインターフェロンα-2bもしくはインターフェロンα-2b(商品名:イントロンA注射用)であり、コペガス錠はペグインターフェロンα-2a(商品名:ペガシス皮下注)である。つまり、ペガシス皮下注は、これまでリバビリンと併用できなかったが、コペガスが発売されたことで、リバビリンとの併用療法が可能になったわけである。

 実際、臨床試験では、ペガシス皮下注の効果が、コペガス錠の併用により高まることが確認されている。C型慢性肝炎におけるウイルス血症(ジェノタイプ1b型かつ高ウイルス血症)を対象とした第III相臨床試験では、ペガシス皮下注とコペガス錠との併用により、ペガシス単独投与群に比べて、HCV-RNA陰性率で倍以上の優れた効果が報告されている。ちなみに併用による効果増強が評価され、コペガス錠は優先審査品目の対象になっていた。

 コペガス錠の使用に際しては、レベトールカプセルと同様、投与禁忌の対象が比較的広いので十分な注意が必要となる。具体的には、動物実験において催奇形性や胚・胎児致死作用が認められていることから、妊婦への投与は禁忌であり、さらにパートナーが妊娠する可能性のある男性では避妊させる必要がある。そのほかにも、(1)コントロール困難な心疾患、(2)異常ヘモグロビン症の患者、(3)慢性腎不全またはクレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害患者、(4)重度のうつ病、自殺念慮または自殺企図等の重度の精神病状態にある患者(その既往歴のある患者)、(5)重度の肝機能障害、(6)自己免疫性肝炎の患者−−が投与禁忌となっている。