2006年10月20日、パーキンソン病治療薬ロピニロール塩酸塩(商品名:レキップ)が製造承認を取得した。ロピニロールは、ドパミン受容体に直接作用するドパミンアゴニストであり、1996年に英国で承認されて以来、現在までに世界60カ国以上で広く使用されている薬剤である。

 パーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで頻度が高い、進行性の神経変性疾患である。振戦、固縮、無動、姿勢反射障害の4症状を特徴とし、中脳の黒質部分が変性して神経伝達物質であるドパミンが減少することで発症する。しかし、それ以上の詳細な発症機序は不明であり、治療では、症状を改善し生活の質(QOL)を向上させながら、病状の進行を遅らせることに主眼が置かれている。

 パーキンソン病の治療に使用される薬剤には、レボドパ含有製剤、ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)、モノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害薬、抗コリン薬、ドパミン遊離促進薬(塩酸アマンタジン)、エピネフリン前駆物質(ドロキシドパ)などがあるが、今回承認されたロピニロールは、ドパミンアゴニストである。ドパミンアゴニストは、国内外での実験データで神経細胞保護作用があることが示唆されており、日本神経学会の「パーキンソン病治療ガイドライン」では、初期から積極的に用いるべき基礎的薬剤と評価されている。同ガイドラインでは、ドパミンアゴニストは、痴呆のない非高齢の早期パーキンソン病患者で第1選択薬とされているほか、高齢者や進行期のパーキンソン病でも、レボドパ含有製剤などと併用することとされている。

 なお、ドパミンアゴニストは、その構造から、「麦角系」と「非麦角系」に分類されるが、ロピロニールは非麦角系である。非麦角系は、麦角系でよくみられる嘔気などの消化管系の副作用は少ないが、眠気の副作用が比較的多いとされている。

表1 ドパミンアゴニストの分類 カッコ内は商品名。
麦角系非麦角系
ブロモクリプチン(パーロデルほか)プラミペキソール(ビ・シフロール)
ペルゴリド(ペルマックスほか)タリペキソール(ドミン)
カベルゴリン(カバサール)ロピニロール(レキップ)

 ロピニロールは、日本における第III相試験で、進行期の患者でoff時間(症状が悪化する時間)の短縮効果が認められた初めてのドパミンアゴニストである。副作用は、悪心、めまい、CK(CPK)増加、幻覚などが多く見られ、重大な副作用としては突発性睡眠、極度の傾眠、幻覚、妄想、錯乱が認められている。特に突発性睡眠および傾眠に関しては、服用開始前に患者に説明し、自動車の運転など危険を伴う作業などを行わないことを指導しておく必要がある。