「ホクナリンテープ」の添付文書(2006年4月改訂・第9版)から。下線部が今回の改訂部分。

 4月28日付けの厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づき、気管支喘息の治療に使用される長時間作用型β2刺激薬の添付文書が改訂された。具体的には、長時間作用型β2刺激薬の経口剤と貼付剤について、「吸入ステロイド薬と併用して使用すること」など、喘息患者の長期管理に使用する際の注意書きが追記された。

 添付文書が改訂されたのは、貼付剤ではツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)、経口剤では、塩酸クレンブテロール(商品名:スピロペント錠ほか)、塩酸ツロブテロール(商品名:ホクナリン錠ほか)、塩酸プロカテロール(商品名:メプチン錠ほか)、フマル酸ホルモテロール(商品名:アトック錠ほか)、塩酸マブテロール(商品名:ブロンコリン錠)である。

 この改訂は、同じ長時間作用型β2刺激薬の吸入剤であるキシナホ酸サルメテロール(商品名:セレベント)の添付文書改訂と関連している。

 サルメテロールの添付文書は、3月24日の厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡を受けて、3月末に改訂された。米国で行われた喘息患者を対象とする多施設共同喘息調査試験(SMART試験)で、プラセボ群と比較してサルメテロール群では喘息に関連する死亡数の増加が示唆されたためである。この試験結果を受けて米国では、米食品医薬品局(FDA)がサルメテロールを含む長時間作用型β2刺激薬の安全性を検討、2005年11月に「FDA ALERT」を発表し、抗炎症薬と併用するように注意を喚起した。その後、3月には、米国でもサルメテロールの添付文書が改訂されている。

 そもそも喘息治療では、吸入ステロイド薬などの抗炎症薬が長期管理の基本治療薬であり、サルメテロールなどの長時間作用型β2刺激薬は追加治療薬または併用薬として位置付けられており、わが国の『喘息予防・管理ガイドライン2003』にも明記されている。前述の米国での添付文書改訂の動きに併せ、こうした喘息治療薬の位置付けを明確化する意味から、日本でも3月末にサルメテロールの添付文書が、4月にはほかの長時間作用型β2刺激薬の添付文書が改訂されたのである。

 改訂で追記された注意事項をまとめると次のようになる。追記内容は、先に添付文書が改訂されたサルメテロールとほぼ一致している。

表1 改訂で追記された注意事項の概要

1. 気管支喘息治療の長期管理の基本薬は吸入ステロイド薬である。
2. 吸入ステロイド薬使用で症状の改善が不十分な場合に長時間作動型β2刺激薬を追加・併用する。
3. 投与中は、医師の指示なしで吸入ステロイド薬などを減量・中止し、β2刺激薬のみを単独で使用しないこと。また、急性発作時には短時間作用型吸入β2刺激薬など、ほかの適切な薬剤を使用すること。
4. 喘息管理が不十分な場合には、生命を脅かす危険性があることから患者に速やかに医療機関を受診させる。また、そのような状態では吸入ステロイド薬の増量など抗炎症療法の強化を行う。