抗血小板薬「プラビックス錠75mg」(製造・販売:サノフィ・アベンティス) ほかに錠25mgもある。

 2006年1月23日、抗血小板薬の「硫酸クロピドグレル」(商品名:プラビックス錠、写真)が承認された。4月28日には薬価基準にも収載され、5月8日に発売される見込みだ。サノフィ・アベンティスが製造・販売する。

 クロピドグレルは、代表的な抗血小板薬である塩酸チクロピジン(商品名:パナルジンほか)と同じ、チエノピリジン骨格を有する抗血小板薬である。肝臓で代謝を受けて生成される活性代謝物が、血小板上のアデノシン二リン酸(ADP)受容体に不可逆的に結合することにより、持続的な血小板凝集抑制作用を発揮する。

 クロピドグレルの最大の特徴は「安全性」である。チクロピジンは作用が強い反面、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害などの重大な副作用が知られており、これら副作用による死亡例も報告されている。これを受け、厚生労働省は 1999年と2002年に計2回、緊急安全性情報で警告を発し、「治療開始後2カ月間は、2週間ごとに白血球算定と肝機能検査を行い、原則として1回2週間分までの投与とする」といった制限を設けている。

【硫酸クロピドグレルの概要】

 これに対しクロピドグレルは、海外での臨床使用例や国内の臨床試験でみると、チクロピジンに比べて、肝障害や好中球減少などの副作用が有意に少ないことが確認されている。この高い安全性と、1日1回投与であること(チクロピジンは原則1日2〜3回)などが評価され、薬価収載時に25%の有用性加算(I)が付いた。

 同薬は、既に2005年9月時点で、欧米をはじめとする世界106カ国で承認されており、米国、イギリス、ドイツなどでは第一選択薬として位置付けられている。日本でも、学会や臨床医から、早期承認が熱望されていた薬剤である。現時点では、「脳血管障害」にしか適応がないが、近いうちに、チクロピジンと同様、慢性動脈閉塞症などの広い循環器領域に適応が拡大され、抗血小板薬として広く使用されていくものと予想される。