医療・医学の旬な話題について討論する「ザ☆ディベート」。第2回は、「高齢者への胃ろうの造設」について、二人の論者が主張をぶつけ合います。今回のコーディネーターは、国際医療福祉大学教授の鈴木裕氏です。

 前回と同様、2本のディベート動画は、日経メディカル オンラインとケアネット・ドットコムに1本ずつあります。動画を2本ともご覧いただいた上で、医師会員の方は、ご自身のお考えがどちらの主張に近いか、Web上での投票をお願いします。投票期間は11月4日(日曜日)まで。奮ってご参加ください。


コーディネーターより

 胃ろうの是非について、最近、新聞やテレビなどで頻繁に論じられるようになってきました。患者の苦痛が少なくて済む点などを長所に挙げる識者がいる半面、患者本人の尊厳や家族の精神的負担の問題から反対する声も出ています。そこで今回のディベートでは、示唆に富む2つの症例を題材に、胃ろうを造設するか否か、継続するか否か、について議論を深めていくつもりです。

 症例の1つは、PEGを行えば数年の生命予後が期待されますが、いずれ認知症が進行し、末期を高い確率で迎えるであろう患者のケース。この患者にPEGは有効でしょうか? もう1つは、一時的にPEGが有効で、実際に患者の全身状態が改善しましたが、次第に症状が進行し、末期状態になった患者のケース。この患者への水分栄養補充の見直し、中止の適応はどう考えればいいでしょうか?

国際医療福祉大学病院外科上席部長、国際医療福祉大学教授 鈴木 裕
NPO法人 PEGドクターズネットワーク

症例

Case1 82歳男性、認知症
 5年ほど前より物忘れなどの認知症の症状が出現していたが、家でそれなりの生活をしていた。しかし、ここ数カ月、食事摂取量が急に落ち込み、概算で1日400kcal程度しか摂れなくなった。特に、水を飲み込む時にむせが生じるようになり薬も飲めなくなった。
 専門医の診断では認知症で、症状は進行し生命を維持するには何らかの水分栄養の補充が必要であるが、水分栄養の補助があれば数年は生きられるとのコメントを得た。
Case2 84歳女性、認知症
 75歳ごろより認知症の症状が出現。80歳ごろより経口摂取のむらが著明となり、82歳時に水分栄養の補助と内服薬の継続を目的にPEGが施行された。
 在宅での生活が約3年続いた(年に3回ほど家族の休養目的に近医に入院)が、病状は急激に進行し、経口摂取も全くできなくなり家族の識別も困難となった。在宅での療養を断念し施設に入所したが、病状はさらに進行し、現在では全く反応がなくなった。


胃ろう造設に賛成
 ディベーター:町立長沼病院院長 内科消化器科 倉 敏郎氏


■スライド(クリックすると拡大します)

Nikkei Medical ONLINE日経メディカル オンライン http://medical.nikkeibp.co.jp/

胃ろう造設に反対
 ディベーター:新田 國夫氏(医療法人社団つくし会 新田クリニック院長)

新田 國夫(医療法人社団つくし会 新田クリニック院長)
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ディベーターが動画の中で表明する“主張”は、論点を明確にするためにコーディネーターが設定したものであり、演者自身の考えとは必ずしも一致しません。また、その動画を掲載しているサイトのポリシーとも関係ありません。