この調査は、スクリップス・ハワード新聞が行った。フットボールを専門とする統計学者デイビッド・ネフトと仲間がまとめた記録をもとに、20世紀中に亡くなった3850人のプロフットボール選手の死因をデータベースにまとめた。

・高体重(太りすぎ)のNFLの選手は、正常体重の選手に比べて50歳前に死亡する確率が2倍高い。

・20世紀生まれのプロフットボール選手で、高体重の人は、28パーセントが50歳以前に亡くなった。それに対し、高体重でない選手のうち、50歳前に亡くなったのは13パーセントだった。

・現時点(2006年)で、1955年以降に生まれた選手の69人に1人が亡くなっている。その22パーセントは心臓疾患、19パーセントは殺人または自殺だった。

・心臓疾患で亡くなった元選手の77パーセントは現役時代から肥満気味で、冠状動脈血栓症で亡くなる確率は、スマートな元選手の2.5倍だった。

・1904年から1914年までに生まれた選手で、すでに亡くなっている人のうち、現役時代に高体重だったのはわずか10パーセントだった。現在、NFLの全選手の50パーセント以上が高体重とされている。

・NFLの選手の平均体重は、1985年から10パーセント増えて、現在、248ポンド(約112キログラム)である。最も激しいポジション(オフェンシブ・タックル)につく選手の体重は、20年前には281ポンド(約127キログラム)だったが、現在では318ポンド(約144キログラム)になった。

 フットボール選手を若くして心臓疾患へ追いやり、死に至らしめた犯人は、高体重だと言える。体のサイズが寿命と反比例することはよく報告されており、疫学的研究により、高身長も高体重も早死に関係あることがわかっている。つまり、ラインマン(攻撃の第1線を成すプレーヤー)がゲームに勝つために体重を増やせば、寿命を削ることになるのだ。フットボール選手は体をよく鍛えているので、高体重に伴う心血管疾患のリスクは避けられそうなものだが、実際はそうではなかった。高体重は、運動がもたらすプラス効果を帳消しにして余りある負荷を、彼らの体にかけていたのだ。高体重が害になるのは、知らず知らずのうちにそれがいくつもの炎症を導くからだ。

 高体重も、他の選手との衝突も、炎症を引き起こす。フットボール選手は常に炎症に悩まされており、その多くは悪くすると、心臓発作や脳卒中につながりかねない。本書が刊行される間際に、NFLで殿堂入りを果たしたリーロイ・セルモンが脳卒中で亡くなったというニュースが報じられた。56歳だった。脳卒中の危険のある肥満男性、というイメージには程遠い人物だったが、何年も前に競技場で受けた打撲がもたらした炎症が、思いがけない結末を招いたのだ。フットボール選手にならなかったら、彼は早死にしなかっただろうか? それはわからないが、同じような運命をたどったフットボール選手が多いのは事実だ。(次回に続く)