ステージIIIの大腸癌患者に対し、切除後、術後補助化学療法が推奨されています。しかし、外科手術後の患者の多くは、「手術は成功して、治ったのだ」と感じており、患者を治療に前向きに参加させる補助化学療法を施行するには、アドヒアランスの向上やセルフケアの支援が重要となります。この連載では、大腸癌の術後補助化学療法を行う際のインフォームドコンセント(患者への説明と同意)、外来化学療法センターにおける薬剤師、看護師による患者とのコミュニケーションの実際について、動画で紹介していきます。


 この動画解説7では、外来療法センターで術後補助化学療法を行うにあたり、治療期間中に注意すべき有害事象の詳細とそのセルフケアについての看護師による説明の実際を解説しています。看護師役は、聖マリアンナ医科大学病院看護部・がん化学療法看護認定看護師の京盛千里氏です。

動画解説7

動画のシチュエーション
名 前:高橋公一氏 55歳
    妻 サチコ氏 51歳
職 業:某中小企業の営業部長、清潔感があり、仕事ができる人。ワーカホリックで
    疲れたところを人に見せたくない性格、パソコンが好きで分からないことは
    インターネットで調べるタイプ。
病 名:S状結腸癌
手 術:先月、S状結腸切除術を受けた。外科医より手術は成功、見える範囲のがんは
    取りきれたと説明を受けている。術後4週が経過。
その他:本人は手術が成功し、がんは取りきれたのだからもう治ったと考えている。
    そこへ術後補助療法として化学療法の必要性を説明され、少々不安に思って
    いたが、治療の有用性を、医師および薬剤師から説明されることで、ある程
    度納得した。
    妻は心配性で手術前から来院時には同行している。今回、いよいよ術後補助
    療法を受けることを決断し、2人で来院した。

図●
手足症候群の症状(左からグレード1、グレード2、グレード3)

 手足症候群の好発部位は手や足の皮膚、爪の四肢末端部であることが知られている。
 グレード1では色素沈着、紅斑が見られる。グレード2では発赤、膨張のほか、軽度の疼痛を訴えるケースが多い。グレード3になると疼痛や過角化、落屑が見られ、亀裂を生じるようになり、知覚過敏や歩行困難などの機能障害を伴う症状が見られる。
(出典:手足症候群アトラス 第3版 監修 京都府立医科大学内分泌乳腺外科学 田口哲也氏、金沢赤十字病院外科 西村元一氏)

参考
●手足皮膚症候群と同意語

手足症候群の同義語には、以下のものがある。
●手掌・足底発赤近く不全症候群(Palmar-plantar erythrodysesthesia syndrome)
●化学療法薬誘発性肢端紅斑(Chemotherapy-induced acral erythema)
●掌蹠紅斑(Palmar-plantar erythema)
●手足皮膚反応(Hand-foot skin reaction)
(出典:手足症候群アトラス 第3版 監修 京都府立医科大学内分泌乳腺外科学 田口哲也氏、金沢赤十字病院外科 西村元一氏)

監修
聖マリアンナ医科大学病院腫瘍内科
教授・腫瘍センター長
朴 成和氏

指導
聖マリアンナ医科大学病院薬剤部
課長補佐 伊藤由香氏

聖マリアンナ医科大学病院薬剤部
がん薬物療法認定薬剤師 湊川紘子氏

聖マリアンナ医科大学病院看護部
がん化学療法看護認定看護師 京盛千里氏