ステージIIIの大腸癌患者に対し、切除後、術後補助化学療法が推奨されています。しかし、外科手術後の患者の多くは、「手術は成功して、治ったのだ」と感じており、患者を治療に前向きに参加させる補助化学療法を施行するには、アドヒアランスの向上やセルフケアの支援が重要となります。この連載では、大腸癌の術後補助化学療法を行う際のインフォームドコンセント(患者への説明と同意)、外来化学療法センターにおける薬剤師、看護師による患者とのコミュニケーションの実際について、動画で紹介していきます。


 この動画解説3では、術後補助化学療法を行うにあたって、医師による説明を聞いた患者に、薬剤師が具体的に解説しています。この動画では、治療に伴って発生しうる有害事象に関する説明編です。薬剤師役は、聖マリアンナ医科大学病院薬剤部・がん薬物療法認定薬剤師の湊川紘子氏です。

動画解説3

動画のシチュエーション
名 前:高橋公一氏 55歳
    妻 サチコ氏 51歳
職 業:某中小企業の営業部長、清潔感があり、仕事ができる人。ワーカホリックで
    疲れたところを人に見せたくない性格、パソコンが好きで分からないことは
    インターネットで調べるタイプ。
病 名:S状結腸癌
手 術:先月、S状結腸切除術を受けた。外科医より手術は成功、見える範囲のがんは
    取りきれたと説明を受けている。術後4週が経過。
その他:実は、本人は手術が成功し、がんは取りきれたのだからもう治ったと考えて
    いる。そこへ術後補助療法として化学療法を薦められ、少々不安に思ってい
    たが、治療の効果を、医師および薬剤師から説明されることで、ある程度納
    得し始めたところである。
    妻は心配性で手術前から来院時には同行している。今回も補助療法について
    説明を受けると言うことで同行した。

●手足候群の症状(左からグレード1、グレード2、グレード3)

 手足症候群の好発部位は手や足の皮膚、爪の四肢末端部であることが知られている。
 グレード1では色素沈着、紅斑が見られる。グレード2では発赤、膨張のほか、軽度の疼痛を訴えるケースが多い。グレード3になると疼痛や過角化、落屑が見られ、亀裂を生じるようになり、知覚過敏や歩行困難などの機能障害を伴う症状が見られる。
(出典:手足症候群アトラス 第3版 監修 京都府立医科大学内分泌乳腺外科学 田口哲也氏、金沢赤十字病院外科 西村元一氏)

参考資料1
●聖マリアンナ医科大学で患者に配布している、化学療法に伴う有害事象への対策として処方される薬剤の詳細と使い方を解説した資料(動画中では「お守りの薬」という呼び方で紹介している)

詳細はこちら(PDFウインドウで開きます)

監修
聖マリアンナ医科大学病院腫瘍内科
教授・腫瘍センター長
朴 成和氏

指導
聖マリアンナ医科大学病院薬剤部
課長補佐 伊藤由香氏

聖マリアンナ医科大学病院薬剤部
がん薬物療法認定薬剤師 湊川紘子氏

聖マリアンナ医科大学病院看護部
がん化学療法看護認定看護師 京盛千里氏