切除不能大腸癌肝限局転移患者に抗癌剤と分子標的薬を併用することで腫瘍が縮小し、切除が可能になる「conversion」の概念が浸透してきました。ただし、至適なレジメンを決定づけることができる臨床試験結果は出ておらず、特定のレジメンを推奨することはできない状況です。

 さまざまな第III相試験が行われていますが、対象患者のうち切除不能大腸癌肝限局転移患者の数は限られています。したがって、肝切除が可能になったconversionの割合を試験間で比較する意義は低いと考えられますが、現状で比較するとすれば肝限局転移例を対象とした第II相試験のCELIM試験とBOXER試験になると思います。CELIM試験ではFOLFOX6 +セツキシマブとFOLFIRI +セツキシマブの2群が比較され、BOXER試験ではCAPOX(カペシタビン、オキサリプラチン)+ベバシズマブの単群が検討されました。

 注意すべき点は、肝切除率は向上しても約50%までで、残りの約半数の患者はconversionできないことです。conversionできた患者はcureが目指せますが、できなかった患者はcareになります。conversionを狙う患者全体の予後を改善する治療が最終的に至適レジメンになると考えられます。CELIM試験とBOXER試験を比較する際には、患者全体の予後にも注目する必要があります。


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