米国Exelixis社は、10月31日、転移性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に、新規チロシンキナーゼ阻害剤cabozantinibの初のフェーズ3試験を年内にも実施すると発表した。

 米国、カナダ、英国で実施予定のフェーズ3、二重盲検ランダム化‘306試験は、疼痛を主要評価項目として、ドセタキセルおよびアビラテロン治療が有効でない、骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌患者のうち、麻薬疼痛薬を使用しても中等度から重度の骨痛を訴える患者を対象として行われる。

 同試験では、患者246人をcabozantinib(60mg/日)投与群とミトキサントロン/プレドニゾン投与群に1:1で無作為に割り付ける。投与量はこれまでの100mgではなく60mgに減量される。試験開始前に、患者はNCCNガイドラインに基づいて持続性/速効性麻薬疼痛薬で一定期間治療を受け至適投与量をみる。

 主要評価項目である疼痛の評価は、9週目と15週目に行われ、ベースラインから30%以上の減少をめざす。副次的評価項目は全生存期間と骨スキャンによる画像評価とし、30%以上の骨病変の減少、および軟部組織の増悪がないかどうかを評価基準とする。

 転移性前立腺癌では90%の症例で骨転移がみられ、主な死亡原因であることから、骨転移に対する有効な治療が待たれている。Cabozantinibは、腫瘍細胞の生存、浸潤、転移にかかわるMET遺伝子と、その活性化を助長するVGEFR2経路の両方を阻害する薬剤で、前立腺癌のほか、肝臓癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、メラノーマ、膵臓癌など多くの癌腫で有効性が確認されている。

 今年の米国臨床腫瘍学会総会(ASCO2011)では、cabozantinibは、肝臓癌の76%、 前立腺癌の71%、卵巣癌の58%において腫瘍抑制効果が示され、骨転移、疼痛で良好な結果が報告されている。先月発表されたフェーズ3、EXAM試験では、進行した甲状腺髄様癌に対して無増悪生存期間を7.2カ月延長した。

 同薬の一般的な有害事象は倦怠感、便秘や下痢、吐気、嘔吐などの消化器症状、手足症候群、皮膚障害、高血圧などであり、前立腺癌のフェーズ2試験で報告されたグレード3、4の事象は倦怠感(15%)と高血圧(8%)であった。

 また、これまでcabozantinib治療を受けた490人のうち、肺癌、乳癌、前立腺癌患者ら6人が消化管穿孔などにより死亡したことがASCO総会で明らかになっている。

 2012年前半には進行した去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に、全生存率を主要評価項目としたフェーズ3の‘307試験を開始する予定だ。