カナダAeterna Zentaris社とヤクルト本社は3月9日、Aeterna Zentaris社の経口Akt阻害剤perifosineについて、ヤクルト本社が日本での開発と商業化を独占的に行うことに関する契約を締結したと発表した。日本におけるperifosineの開発、薬事対応、商業化はヤクルト本社が行うことになる。

perifosineはphosphoinositide 3-kinasePI3K)経路でAktの活性を阻害する新規の経口薬。癌細胞膜の機能を妨げることにより、細胞死、増殖、分化、生存に影響するAktシグナル伝達を阻害する。現在、米国と欧州で大腸癌多発性骨髄腫を対象とする2件のフェーズ3試験が進められている。

 米食品医薬品局(FDA)は、perifosineを多発性骨髄腫と神経芽細胞腫に対する希少疾病用医薬品に指定し、進行性の大腸癌と多発性骨髄腫に対する優先承認審査制度の対象に指定している。これらの疾患を対象とするフェーズ3試験は、特別プロトコール査定に基づくFDAとの合意のもと、実施されている。

 また欧州医薬品庁(EMA)は、perifosineを多発性骨髄腫に対する希少疾病用医薬品に指定している。さらにEMAは、進行性の大腸癌と多発性骨髄腫に対する肯定的な科学的助言を行っており、現在進行中のフェーズ3試験で欧州における承認申請の要件を満たすことが期待される。

 今回の契約では、Aeterna Zentaris社はヤクルト本社から頭金として600万ユーロを受け取り、さらに日本での承認申請に向けた臨床試験や薬事関連の指標の達成に応じて、最大で4400万ユーロを受け取る。Aeterna Zentaris社はヤクルト本社にperifosineを供給し、原価加算方式に基づいた代金の支払いを受ける。日本での売上高に応じ、2桁に相当するロイヤリティも支払われる。

 perifosineの権利は、北米ではKeryx Biopharmaceuticals社に、韓国ではHandok社に、そして日本ではヤクルト本社にそれぞれ付与され、その他の地域では全てAeterna Zentaris社が保有している。